●今回はフォステクスの古〜いユニットを補修します。 布エッジの為破れは無いものの、固まったり、スカスカになっています。 これではコーンがストロークしなかったり、内圧が逃げてしまい薄っぺらい音しかでません。 本来の性能を取り戻してやりましょう! |
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●センター(ダスト)キャップが潰れてますねー。子供の悪戯など、よく見かける光景です。極端な音質劣化は見受けられませんが、精神的によくないので直しましょう。 写真の物は、最初もっと潰れていたが、爪楊枝で少し盛り上げてやった状態。だが綺麗に直りません。 |
●カッターでカットします。ニッパーを使えば切り口が綺麗になりますが、私の場合、あえてカッターを使用。 切り口を「ボアボア」にする事で、接着時、綺麗になじむような配慮です。(紙コーンの場合) |
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●手頃な球体を用意します。これは木材ですが、ピンポン球やプラスチックのボールなんかでもOK。サイズの近いもの合わせます。この状態でゴシゴシしごいても 「しわのクセ」は直りません。 |
●↑のような貼ってはがせるのりで接着します。 | |||
●で、こんなのりを使い表面を固めてやります。なんか懐かしいでしょ。子供の頃使いましたよね、こういうのり。 私にとっては現役です。木工用ボンドとの大きな違いは、 「塗装が良く乗る!」。軽いし硬い、水で薄めてもOKな万能のりです。これでよくハリボテ作ったなぁ |
●1日ほどおき乾燥後、慎重に外します。 中々いい仕上がりでしょ。 |
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●切れ目を埋めながら接着し完成! | ●これは貼ってはがせるのり跡。黒いのがのりの塊。 いつまでもベトベトして硬化しません。 |
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●さて、折角なので他のユニットも一緒に修理します。 写真は3セット分。うちには、まだまだ修理待ちが沢山放置してある・・・。きりが無いので、とりあえずこんな所で^^; 写真で解るように、古いユニットはほとんどこんな色してますよね。これでは100%まともな音が出ません。 |
●これはFE103GL(ゴールドリミデット?)いつ頃の物でしょう?エッジが完全に「スカスカ」状態。低音まったく出ません。 | |||
●こちらもFE103。前オーナーが修理したようで、ボンド(G17)がビッチリ( ̄□ ̄;)!! 付けすぎでエッジまで染み込み硬化しています。なのでストロークが鈍い。 薄〜くでいいんですよ。剥がすの大変だなぁ |
●これは珍しいドロンコーン。 エッジを「ペーパーがけ」します。(赤線部分) エッジにペーパーがけって・・・大丈夫? |
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●全体にペーパーがけしました。 | ●UP。布地が見えてきましたね。ここで注意する事は 「やりすぎない事!」やりすぎると破けたり穴があいてしまう。でもやりすぎたく、なるんですよ。これは。 |
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●裏もできる限り、シゴキます。 | ●全体的に、だんだん白っぽくなってきましたね。 | |||
●で、「エナメル」シンナーでよく伸ばします。 | ●シンナー乾燥後。「白いブツブツが馴染んでいる」のがおわかりかと思います。 | |||
●次はエッジに塗る液体を作ります。これは ・液体ゴム(硬化剤の入っていない物) ・スーパーX(万能ボンド、硬化剤代わりです) ・シンナー(状態によりエナメルも使います) を混ぜて作ったもの。色々試した結果、今の所これがベスト。「こちら」(S-X50)に伸び加減を載せてます。 |
●布目が見える程度でOK。 | |||
●完。エッジの状態により、溶剤、塗り加減を変更します。 | ● | |||
●このエッジは完全に「スカスカ」状態のもの。3回塗りでいい感じになります。 白いブツブツの正体は「ビスコロイド」かと思われます。昔の布エッジには多用されてます。 ただこのビスコロイド、経年劣化でどんどん硬化していきます。ショップで「ビスコロイド調整」などあり、ビスコロイド除去後、塗り直しと言う文句で、ずいぶん高い金額とるようですが、 このビスコロイド除去、酢酸エチルやエナメルシンナーを使われているかと思われますが、はっきり言って 硬化したビスコロイド、簡単には溶けないし「完全に除去できません」 溶剤で伸ばした?後、新しい物を塗っているんでしょう。大口径ユニットならまだしも、小口径ではそんな手抜きは通用しません!なのでペーパーがけし、硬化したビスコロイドをある程度落としてやりました。 残ったビスコロイドも粉状なので、よく馴染み、ほぼ完治と言っていいほどストロークします。 硬化した物質をよく落としきらないまま上塗りすると、硬くなるだけで本来の力を発揮しません。 タンノイやアルテックのユニット、修理を考えてる方は、ここをよくショップに相談されたほうが、よろしいかと。 手間がかかるので、エッジを張り替えてしまえば簡単ですが、「オリジナルを残したい!」場合には有効です。 私が今まで多数修理してきた経験上の事ですが。現在ビスコロイドは、環境問題により製造されていません。 |
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●最後はコーン紙を着色します。液が染み込んだ紙コーンって汚いですよね。綺麗になれば気分も変わります♪ | ●できる限り薄めた塗料で、状態を見ながら重ね塗りしていきます。まずは黒ずんだ部分から。 黒ずんだ部分は濃度を変えて塗ります。 |
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●下地色の調整完了。 | ●次に、ほんの少しだけサラダ油を加えて伸ばしたアクリル絵の具を追加。色合いを変えます。 ゴマ油でもいいと思いますw^^; |
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●昔の純正風、ほんのりベージュにしました。 | ●右(12cm)白、左がベージュです。 | |||
●バイオセルロース?のように見えますねw | ●さらに色目を変えていきます。 | |||
●センターキャップはほんのり濃く。 | ●センターキャップ2回塗り。 | |||
●完成。完全に乾くと、もう少し艶消しになります。 音質の変化ですが、それほど変化はありません。聞きなれたCDで何度も何度も聴くと、高域が伸びた感じがします。 若干ですが。機材で測定すればいいかと思います。 できる限り柔らかい塗料を使っていますが、それでも塗装する事によりコーン紙の硬度が増します。 ただ見方によれば、紙臭さが減り、いい感じの方向にいってると思うのですが。 現在フォステクスのユニットや他のユニットで純紙コーンはありません。何かしらで硬化させています。 まっ、これで黄ばみや汚れによる変化は少なくなるので精神上よろしいかとヾ(=^▽^=)ノ |