品川区立中小企業センターでおこなわれた「 ミューズの方舟 」主催 自作スピーカーコンテスト2010
 こちらのサークル、今年で30周年だそうで、長い歴史があった事を初めて知りました。おめでとうございます。
そんな歴史の重みを感じながらも、ひとつの節目に参加でき光栄に思いました。

↑ズラッと並べられ、今か今かと出番待ちのスピーカー達。10人の出場枠になり、左から順に並んでいます。
 順番は事前にくじ引きで決められ、私は9番目でした。数字的には8か10がいいと思ったが、前の方々を参考にする事が十分にできそうです。
後半枠の方が、アンプが十分に温まり良い、なんて事も聞きました。

あまり人様の作品を見てる余裕がなかったのですが、以外に思ったのが、私の作品より小さいものが2作品(うち1つは同等)ありました。
あとはご覧のよう、重そうな大型機種が出揃ってます。
外見に加え、バックロードやWバスレフなどの方式までもが千差万別、とても凝った作りの作品ばかりでした。
ここからは、競技順に並べてみました。
開演は午後1時半からだが、午前中にそれぞれの音出しテストがあり、その時に撮った写真です。
最初の黄色いのはFOSTEX FE108EΣだったか?音圧のベンチマークとして鳴らされていたようです。

@番の方、北海道からの参加でご苦労様です。A4サイズなので、持ち運びは便利だと言ってました。
A番、ご本人は低域はあんまり・・・などのコメントでしたが、逆に一番体感しやすい重低音が出ていたと思います。狙いなのかな。
B番、内部はホルンのような構造で、積層で作られたそうです。ご本人は大変な制作だったと言ってました。よく解ります。
C番、中域に癖の少ないスッキリした音は、共感できます。ドキッとさせられる自由曲でした。キャンセリングマグネットを装着していたようです。
D番、キャスター付きの構造からも、とても重そうでした。何か背面のスイッチを切り替えており、その効果は解りませんでしたが、音はとても良かったです。
E番、このソリ具合に驚かされますね。ユニットを搭載してる部分は、密閉だそうです。
F番、ヘッドがロボ・ガンダム系と感じ、共感が湧きました。箱のサイズのわりにはスッキリした音でした。
G番、こちらも特殊なデザインで好みです。私の前は重低音か・・・なんて思ってましたが、以外にスッキリした音で一安心。すんません。
H番、私の作品。無理やり特性を変えた音作りは狙いでしたが、大音量と共に出てきた音は、低域過多に感じるほどでした。この時点で終わったと思う。
I番、前面の網が音質のポイントだそうです。自由曲では、とにかくびっくりしたソフトでした。

結果は↓に載せましたが、他に気になった事。。
 まずA番とC番、ユニットのネジ部に付けられた、大きくて丸い画鋲のようなもの。
色は銅色だったが、パッと見「 あれは何だろう? 」と思わず見つめたほどです。残念ながら、出品者に効果を聞き忘れてしまう。
 デザインが特徴的で、印象に残ってるのがEFG番。とてもユニークな形ですね。
E番を鳴らしている時、うしろで聴いていた人が、「 天井からの反射音を聴いてるようだ 」と言ってました。
私は目の前の最前列で聴いてましたが、それほど上に出ているという感覚は無く、わりと普通に聞こえてました。
F番はパッと見た瞬間からロボ系に感じ、好感が湧きました。
G番は以前私が作ったRV-00、それになんとなく通じるようなデザインで好感色。内部音道までしっかりと工夫してる構造でした。
 音が良いと感じた、いわゆる私の作品より、数段重い音が出ていたのはA番とD番。
特にA番、一般的なメーカー製の中型2wayより、一周り大きいといったサイズだが、内部まで凝った作りに加え、深みのある低域には驚いたほどです。
 私の作品は簡易ネットワークを付け、中域の凸部分を少し凹ませた仕様だが、@番とD番も、なんかしらのネットワークが付いていたようです。

長い一日も終わりをつげ、↑の結果となりました。例年より、票が割れたそうです。
この正文字は、聴きにきたお客さん一人一人の投票によるもので、とてもフェアで良い採点方法だと思います。
最後に集められた投票用紙を一枚ずつ読んでいき、そのつど正を書いていくので、始まりから最後までは30分ほどかかります。
 運動会の玉入れ競技じゃないが、音質何番、アイデア何番という具合で呼ばれていいく番号。
自分の番号が呼ばれた時は、ドキッとしながらも嬉しいものでした。
 
さてここからは、私なりの感想です。
 まず感じたのは、私の場合あまり構えず、気軽な気持ちで参加させていただいたわけだが、他の参加者の皆さんは、
入念な下準備に加え、気合十分という気迫が大いに感じられました。

 スピーカーに関して、自分の家で聴くのと、こういう広い会場で聴くのは、何がどう?とは言えませんが、なんとなくフィーリングが違うものでした。
大勢のお客さんが会場入りし、後ろの方で聴いてると、高域がだいぶ吸われ気味のようで、よけい中・低域が目立つような具合です。
特にボーカルソフトなどは、元々の中域凸音質に加えた相乗効果で、やけに凸ってるなー、なんて感じたものです。

 中域と高域はほぼ同じような聴こえ方でしたが、低域の場合、実用的な使い方で量感の感じられる”左肩上がりの特性 ”よりも、
だら下がりのような下を伸ばす方向のほうが、バランスの良い聞こえ方に感じました。
 その理由として、ユニットの限界付近までボリュームを上げるからです。
このFE83Enは、通常部屋で聴くほどの音量の場合、あまり低域出ないなァ〜なんて感じますが、
底付きするようなほどボリュームを上げると、けっこうドスドス感が感じられました。
左肩上がりの特性の場合、普通の音量での低域が感じやすい分、大音量にすると壊れそう!なんて思えるような音でした。
 どんなスピーカーでも音量を上げれば、それなりの音に変わってきますが、FOSTEXユニットの豹変ぶりは、ある意味新しい発見となったほどです。
私は左肩上がりの特性が好きなので、そういう音作りを目指し仕上げますが、
コンテストだけの事を考えるのならば、近所迷惑になりそうなほどの大音量、”その時にバランス良く聴こえる ”というのがポイントかもしれません。

 ソフトについて、私は自作した音源と、たぶんこういうのは珍しいだろうと思い、男性(邦楽)のトリビュートアルバムを持ちこみました。
普段聴いているMP3をそのままCDにしたのですが、はっきり言ってそれでは甘すぎでしたね。
みなさんが持ち込まれたソフトは、どれも高音質だなァ〜、なんて感じられるものばかりでした。
特にI番の方のソフトは、アフリカ音楽だったか?アイヤァァァ〜なんて具合のボーカルは、もの凄くインパクトがあったほどです。

 ボーカル物の場合、部屋聴きでは、これでもかっ!というくらい”クリアー質な中域 ”、クリアーすぎて逆に薄っぺらいほどの音質が、
こういう会場では”ちょうどいい ”具合になりそうです。基本は洋楽前提でしょうね。

最後に。
 いざ戦場へ!というようなみなさんの戦闘態勢には、ピリピリとした緊張感を生み出すほどでしたが、
ランララ〜ンなんて具合、手作りのお弁当まで持ち込み、ピクニック感覚で参加した私は、浮いた存在だったかもしれません。
 あとは結果に対して、私が最下位だろうなァ〜なんて思っていた中、以外だったのはルックスで票が集まった事。
手抜きではないが、私の中ではちゃちゃっと作ったもので、仕上げも拘りはありませんでした。逆にそんなのがうける!?のかもしれません。
票を下さった方、ありがとうございます!やっぱ素直に嬉しいものです。
 と に か く このコンテストは、出場者もお客さんにとっても楽しいイベントで、毎年参加したくなるほどでした。
出場が気になる方は、ぜひ一度トライされてはいかがでしょう。
今後ますます発展される事を、祈っております。

ミューズの方舟・スタッフの皆さま、お疲れ様です。そして、ありがとうございました!
そ れ と 出場者全員ですが、今回使用したFE83En(ペア)を、FOSTEX様より頂きました。ありがとうございます。

PS,各このコンテストで配られたパンフレットを自炊(スキャン)しました。
各自スピーカーの詳細が載ってますので気になる方は、お早めにどうぞ♪ → ダウンロード
(PDFを圧縮したZIPファイルです。ダウンロード→保存→解凍してご覧ください)

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