●木製製品を扱ってると、塗料や仕上げにも、こだわるようになる。そこで今回は「蜜蝋ワックス」を作ってみた。 | |||||
●蜜蝋ワックスとは、天然の蜜蝋と油を混ぜただけという、シンプルで単純なものである。 メリットは合成化合物が一切入ってない為、無害であるという事。 今回は100%天然の蜜蝋を入手する為に「 武州養蜂園 」に行き購入してきました。 蜜蝋とは、働きバチの腹部の腺から分泌されたもので、ミツバチの巣を構成する蝋である。 巣を加熱圧搾したり、湯で煮溶かしたりして採取します。つや出し剤・化粧品にも使われるそうです 写真の一番右が、その100%蜜蝋。ロウということだけあり、とにかくカチンカチンで硬いです。 ●次に油。家庭で普段使うようなサラダ油といわれる物、そんな油でもいいのだが、今回は少しこだわって 荏油という物を入手してみた。これは色々探していた所「艶出し」の文字が目にとまりました。 この荏油は、これのみで使えるという物で、直接塗るとほんのりとした艶が出てきたが、ぜんぜんべたべたしないので、 使いやすいかもしれません。他には「なたね油」とかも良さそうです。 ●作り方はいたって簡単。溶かして混ぜるだけ。 鍋で熱すると、簡単に溶けだします(左)。固まった蜜蝋は、めちゃめちゃ硬くて、包丁で切るのが至難ですが、レンジでチンすれば柔らかくなります。 |
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●溶かした蜜蝋は、常温で冷ますと、また固まってきます。固まる前に油と混ぜていきます。 ここで重要になるのが、蜜蝋と油の割合。配合は色々試したので企業秘密です・・・というのは冗談で「蜜蝋1:油8」にしてみました。 1:8ではほんのりと柔らかく、使いやすい配合でした。 もう少し蜜蝋を多くすると、木の表面を埋める能力に優れてくるので、少し硬くなってしまいますが、1:6くらいがベストです。 ●真ん中は、蜜蝋1:油1。1対1で作ったもの。とても硬くて、普段使いには向いてません。 |
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●割合がある程度決まったら、よく混ぜていきます。たくさん混ぜる事により、空気がたっぷり入りますが、料理のようにいいか悪いかはわかりません。 ●真ん中は完成した「1:6」のもの。ではさっそく試し塗りをしてみます。 |
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●これはダイソーで購入した桐のまな板。これは値段のせいか表面が粗いです。 軽くペーパをかけた後、塗ってみました。塗り始めからしっとりしてくるのが分かり、表面が「つるつる」になってきました。 なかなかいい感じです。 これは塗料とか他のワックスと違い、塗って乾かす、というものではありません。 だから乾燥をまとうと思っても、中々乾燥しませんが、オイル系塗料などと、同じような使い方だと思えば、いいんじゃないでしょうか。 |
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●これは何材か解りませんが、ダイソーで購入した箱を加工した物です。薄い木ですが、中々いい木目です。 中身は様々な石を入れてあり、泉の元として作りました。ただ木が薄い為、テスト2日で崩壊しました(TT) ●右は温泉の元2号機。今度は分厚い国産ひのきを使いました。板のお値段もかなりするものです。 ひのきはとにかく、香りがいいですね〜。蜜蝋を塗らない方が、香は楽しめます。 |
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●ビニール系シートや革製品にも使えました。とにかく100%天然って所が、安心でいいですね。 手でべたべた塗っても、気になりませんし、舐めても大丈夫です。安全という製品では、ドイツのオスモカラーが有名ですね。 この蜜蝋ワックス、荏油のみと比べると、艶のでかたはほぼ同じでした。油のみよりも良いメリットは、手触りがいい事。 つるつるして気持ちの良い手触りになりました。長期間の保護もしてくれそうです。 蜜蝋が多ければ多いほど、木の表面凸凹を軽く埋めてくれます。その結果、つるつるとした手触りになるわけですが、 市販の蜜蝋ワックスは、塗りやすさ重視してるものも多く「蜜蝋1:油10〜15」位だと思うのですが、 表面効果や保護の持続という意味ではマイナスです。でも塗りやすいのは、それはそれで便利ですけどね。 そこで割合を色々とテストしたわけです「蜜蝋1:油5〜6」というのは、作業性よりも、製品を保護するとい役割に振った配合です。 そこは使う人の好みで決めれば、いいと思います。 私はいままで、木材はほとんど塗装し、ほとんどの仕上にげは、CAR用のワックスを使っていました。 メリットは艶が出やすいという事。 この蜜蝋ワックスは、CAR用ワックスほどの艶は出ません。艶を求めるなら良くありませんが、安全・安心を求めるなら、最適なものでしょう。 特に無垢の木材には、良さそうです。 何にでも塗れますので、今後色々と、試していこうと思いました。 |