↓こんな部品が余っていたので久々に
ピンコード(ピンプラグケーブル・RCAインターコネクトケーブル)でも作ろうと引っ張りだしてみた。

こういう自作物は数多く作ると自分でも混乱してくるほどで、人様はもっと理解しがたくなりますよね。
簡単に説明しますと、
ピンコードはスピーカーケーブルと同様で、プラス・マイナスの2本の基本構造。
プラスをホット、マイナスをグラウンド、などという名称でよんだりもします。
以前ヴィンテージケーブル、WE(ウエスタン・エレクトリック)が気になり、その単線を入手しました。
そのWEを使い、ピンコードを作ってきた経由だが、
入手した数が多いので色々とアレンジし、このWE線を使った物は今回で
バージョン4になる。
その他、別のケーブルを使った物も何個か作っているので、それで余計ややこしくなりますよね。
そんな感じですが、自己満足の世界をご覧ください(笑
新たに買い足したのはプラグで、以前より気になってたスイッチクラフト。
それと赤いメッシュチューブ(スリーブ)。
これはシールド効果は無く、見た目の仕上がりが良くなる程度の物。
これがメインになるWEケーブルの単線、太さは22AWG、メートル600円ほどのNOS(未使用品)。
ご覧のように非常に凝った造りで、銅線の上にブラックエナメル(絶縁)でコーティング。
その上に絹が2重巻き、最後の被覆(オレンジ)は綿?に蝋でコーティングされている。
ここまで凝った物は現製品では中々お目にかかれませんよね。
音がいい悪いは別としても、電流に絹や綿のような素材は相性が良い。
外側はしっかりと蝋付けされており、テフロンまでとはいかないが、十分な耐火性もある。

AWGとはアメリカンワイヤ−ゲ−ジと呼ばれており、数値が大きいほど細く、小さいほど太い線となる。
20〜22AWGで一般的な0.75ケーブルと同等。16AWGで1.25mm、12AWGで2mmという目安にするといいでしょう。
ピンプラグ。
これはスイッチクラフト(Switchcraft)というメーカーのもので型番は#3502Aになる。
スイッチクラフトは演奏者に好評のメーカーで、値段も安く、一度使ってみたいと思う品でした。
特徴は武骨というかシンプルで、いかにもストレートなサウンドを奏でる雰囲気です。
さて制作に入ります。まずはマイナス側をハンダ付け。その後プラス側をハンダ付けする。
ハンダ付けが終わったら、各部きっちりブチルゴムで巻き、絶縁・ダンプしてやる。
片側を終えたら、編みチューブや熱収縮チューブを通しておき、もう片側を仕上げるという工程。

ハンダだがマイナスには銀入り、プラスにはKester44(キースター)を使ってみた。
Kester44は現行品ではなく、WE同様のヴィンテージ物。ヴィンテージにはヴィンテージで!というこだわり。
このKester44、普通のハンダにはない”独特の匂い ”が特徴的。
これが何ともたまらない!という人もいるのでは?と思うほどである(笑
↑の平編み銅線はシールド効果も期待できる。
これは普通の丸材に穴をあけた物。細い方が直径2cmで、隣が2.4cm。
丁寧にペーパーがけしたあと、オイルフィニッシュで仕上げてみた。
細い方は木目がいまいちだが、とにかく”手触り・感触 ”にこだわって仕上げてみた。
これ何だか分かります?様々な種類の木材を使ったもので、色は塗装ではなく木そのものの色。
だからそれぞれに特徴があり、見てるだけでも飽きないし、ゴロゴロと触ってると妙に癒されるんですよね。
上の丸材は、こんな雰囲気を狙ってみた。
これ知り合いからの頂ものでm(_ _)m 詳細はこちらになります。
で完成!!! 全長はプラグも含め、約70cm。
詳細は、プラス側にWE
単線と銀より線 でハイブリットに、マイナス側は2mmのOFC銅線を使いました。
その後、編みチューブでカバーするという仕上げになる。

音はワイド感こそ少ないものの、WE単線の”生々しさ ”が特徴的。
WEのみだと中域よりになってしまうので、より線を足し、少しマイルドな方向へと味付けした。
ボーカルものや音数の少ない音源だと、リアリティが向上し相性がいい。
自作レベルだが、細かい所まできちんと配慮し、仕上げました。
片側に付けられた矢印は
方向性をさすもので、矢印部をアンプに装着します。
ケーブル自体の方向性なんたらではなく、構造的にしっかりとした役割をになう方向性です。
上でも述べたがこの丸材、音どうのではなく、見た目の印象を得るもの。
ここ持つ・触ってじゃないけど、とにかく”気持ちのいい肌触り ”を目指し、丁寧に仕上げました。
続いて別仕様だが、これは銀(メッキ)単線で、太さ22AWG、被覆はテフロン。
さきほどはプラス側に、WE
単線+銀より線だったが、次はWE単線+銀単線にしてみた。
より線に比べるとワイド感は減少したが、解像度がUPし、音がよりスッキリとした傾向になる。
その単線+単線仕様がこちら。
この白い編みチューブ、1.5mほどストックしてあったものだが、銀単線同様、中々の希少品なんですよ。
方向性を示す矢印は、赤バージョンにしてみた。
で、これも上の白と同じ、単線+単線仕様。
銀単線が2mしかなかった事と、白と黒のチューブも1セット分しかなかったので、こうなりました。
赤の熱収縮チューブだが、これ質感は良いのだが、色が薄目。
赤のチューブ、もっとこうビビットな発色の物はないんですかね。
基本的に単線は、撚り線より情報量が少ない。
情報量が少ない分、音が集約していて、
妙な”生生しさ ”や、透き通るような”透明感 ”を生み出してくる。
簡単だがそんな所が、単線の特徴になる。

で、物足りないところは補ってやる!という事で、
WEの単線に、銀の単線やより線を加えてやったのが、このWEバージョン4というわけ。
プラス側をそんな構造にし、マイナス側は2mmのOFCにしました。

マイナスはいわゆるアースなわけで、とにかく大電流・ストレスフリーと言うか、どばっーと流れて欲しい!
という気持ちで太めにしてみた。ここもこだわりの一つ。

マイナス側にはもう一つギミックが施してあります。
ケーブル内部を通る電気は、常に逆流する電気もあり、それがいわゆる起電流・逆起電流なんて
言われるもので、ノイズになり音を濁す原因だとも言われます。
そのノイズを消すために、配線を分岐してやり、貯水タンクのような所に追いやります。
その貯水タンクのおかげで、ノイズ同士がぶつかり打ち消しあう、といった構造。
コンデンサーを貯水タンク代わりにしてるケーブルもあるんですよ。
だからケーブルには、”
方向性 ”を定めました。
これらの構造は、メーカー製ケーブルを分解し、研究した事で解った事ですが、
あくまでも科学的な根拠はありません。
ノイズと言っても、耳では聞こえないほどのレベルですが、
色々とやってみますと、あきらかに音は変化しており、特に透明感は向上してるのが感じ取れます。
文章だけの説明は難しいですが、そんな内容なんですよ。

あと以前から思っていた事だが、ピンコードってほとんどが細いケーブルを使っている。
別に細いケーブルを使わなくてもいいのに。
スピーカーケーブルと同じ物を使えばいいのに。
なんていう疑問もありました。
一部ハイエンドなどと呼ばれる10万円ほどのケーブルは、スピーカーケーブル同様に
太いケーブルを使っている物もありますが、
一般的なケーブル、1〜3万円あたりはほとんどが細い。
まァ細いケーブルは、低音出やすくなるんですがね。
太いケーブルで作りたい場合、自作の場合は単純で、簡単にハイコストパフォーマンスな物が作れそうです。
ワイドレンジを狙うなら、とにかく太い物がいいのかな?なんて思いますね。

次に6N、7Nなんて言われる、ケーブル自体の質を上げた物。白砂糖が高級な黒砂糖にとって代わったノリ。
これもハイエンドケーブルにある特徴ですが、これは完全に好みですね。
質がいい=音がいい、はあてはまりません。
まァ悪いわけではないが、コーヒーに黒砂糖を入れたりとか、直接舐める、
なんてシンプルな場合、質が良い方がいいのだが、
料理のような複雑な味を出す場合、白砂糖のガツンとくる甘さは、黒砂糖では出せない押しの強さがある。
例えが変だが”質は=好み ”なので一概にどれがいいとは言えない。

そんな所を踏まえ理解していくと、自作ケーブルもより楽しい物に変わってきます。

最後に。
自作の場合、創造から入るので、特別な根拠は無いが無限の可能性はある。
私の場合、細いケーブルを束にした物が、過去いい具合で好みの音だったが、
スピーカーケーブルのような太い物は、まだ作っていないんですよね。
音は容易に想像できそうだが、一度は極太RCAもチャレンジしてみたい!そんな事を思うこの頃でした。

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