これはダイヤトーンDS-200Z専用台で、依頼品。
寒空の下、体が重くおっくうになるところだが、さっそく制作に取りかかりましょう。
材料はスプルースと2×10の混合。比重が若干違います。
まずは切りだして、角を整えます。
木目は中々奇麗だが、無垢特有の断面が・・・(汗
右写真、だいたい8割仕上げってところだが、サンダーじゃ無理でグラインダーを使って仕上げてます。
この時点で挫折しそうになるが、まァ奇麗でしょ。
ただクリアー仕上げならいいが、断面は塗装すると潰れるんですよね。
仕上げが終わり組立に入ります。 接着後、木ネジを併用。
ダボを埋めてさらに削ります。右が完成。
さて、ここからがまた大変な塗装に入ります。
こういう白木は、何回も重ね塗りしないと濃くなりません。
それを解消する方法として、まず3倍に薄めた黒で塗装。
こうする事で木目が潰れずに、2トーン下がった色合いになります。
十分に乾燥させ、オイルを塗ります(右
オイルの乾燥は時間がかかり、匂いがしなくなればいい具合で、私は最低4日はあけるようにしています。
十分に乾燥後ペーパーをあてます。
オイル仕上げはOLDちっくな、渋い仕上がりですね。
200ZAならこのまま濃くすればいいが、200Zの本体色は、少し黄色味ががってます。
なので、調合したステインで仕上げていく。右の半分は、ステイン着色後。深みがでるでしょ。
ステイン2回塗で、完成!!! いかがでしょう?
最初に黒を塗る、いわゆる黒立ち上げってやつだが、それをしないと、7〜10回は塗装しないとダメでしょう。
ただそれだと、木目が潰れるでしょうね。
最初から濃い色を塗ればいい?普通はそれでいいですよね。
ここでのポイントは「 200Zに合わせる 」ですから、薄い所から調整しないと、微妙な色合いが出せません。
そこも私のこだわりですが、手間はかかります。
無垢板に塗装だから、2、3年もすれば色味が若干濃くなり、落ち着いてくる事でしょう。
高さは53cm、天板は21.5cm×23cm
気づきました?そう、横からみると”Z ”なんです。
気持ち的にはもっと鋭いZにしたかったが、安定性を考えて、この程度に納めた。
20kgは余裕で、ビクともしません。
この斜めカット、上下を水平にしなきゃいけなく、以外と難しいんですよ。
一番下足の斜めは簡単ですけどね。
木材のみは柔らかい音質になるが、デザイン以外の特徴で何か無いか?と考えた結果、
右の矢印、位相のズレを回避する為、左右で約1cmずらしてみた。
これで置き場所をずらす必要がなくなります。
底板も2.5cmほど浮かしてあり、そのサイド板の下にコルクシートを貼ったので、ほぼ”
”置きになる。
ちょっと木馬(解ります?)、ガンダムちっくですかね。
肝心の200Zを乗せてみました。
天板はギリギリもあれなんで、若干大きくしてあり気軽に設置できます。
SX-V1と比較してみました。
底にタイルや、インシュレーターなどをかますと言う事なので、若干低めにしました。
色味も中々近いでしょ。

この手の無垢の場合、表面や断面の仕上げに骨が折れます。
完璧な仕上げでは無いが、MDFのような板に、突き板貼った仕上げの方が、楽のような気もします。
ただ
予算が限られていたので(^^;
金をかけないなら、手間をかけるしかありません。
その辺りは、最初から予想していた事だが、依頼者様よりのお言葉、

 「 スピーカーの存在が消えるようなスタンド

  いい言葉ですね〜
   その言葉に、やられました(笑

鉛や砂などの凝ったギミックはなく、存在が消えるかどうかは解りませんが、
気持ちを入れて作ってみました。
こういうのがまさに、一点物”ハンドメイド ”作品の醍醐味かもしれません。

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