スピーカーは置き場所により、ガラっと傾向が変わってしまう。
そんな時の立役者になるのが、スピーカーベース。
最近のスピーカーはわからないが、昔のスピーカーは、ほとんどオプションで専用台がありましたよね。
そんなスピーカーベースですが、オーディオ仲間から依頼がありました。
簡単な内容は
・複数のスピーカーが置ける(内1台はRogers LS3/5a)。
・高さ500〜600mm(和室での使用)
・デザインはまかせる、等々
という感じですが、さっそく今回も気合入れて、良い作品に仕上げたいと思います。
まずデザインですが、かなり悩みました。
単発ならインテリアになじみ溶け込むような、見た目重視で考えるところですが、複数置く、という所がみそだったので、
結局、使い勝手を考慮した、シンプルなものに決めました。
さっそく材料の切り出しです。 材は高密度のパーチクルボード18mm。
おおまかな所は店でカットし、あとはせっせと作ります。 パーツが多いんで、写真でわかるよう骨が折れる作業です(笑
この板ですが、なんだかめちゃくちゃ重い、MDFより重いんじゃないかな?という感じで
サブロク(1800mm×900mm)を持ち上げる時、一瞬、え?と思ったほどです。私のパワーが無くなったのかもしれません(笑
足に使う棒は塩ビパイプ(内径25mm、外形32mm)、カーボン入りで黒い。
通常のグレーより強度が増しているようで、値段は2、3割程度UPしたもの。
パイプを支える為の補強パーツ。 先に突き板で仕上げておきます。
仮組、具合を確認します。 パイプは艶消しの黒で塗装済み。部分的に付き板も貼っておきます。
パイプを本体に接着。
接着剤はスーパーXを使いましたが、ハンマーで打ち込まないと入らないほど、キツめの設計です。
ここで垂直・水平を出すわけですが、一番肝心なところで、慎重に作業します。
先ほどの丸いパーツを、本体に接着後、ネジ留め。 写真のようにパイプにも貫通させます。
これでパイプが抜ける事はありません。
さて、ここが私の作品の最大の特徴であり、見せ場でもあります。
パイプに、鉛の粒・竹炭の粒・金剛砂・砂なんかを混ぜて入れていきます。
どんなに硬い素材でも振動すると思うが、スピーカーより発生した振動を吸収する、ようは逃げ道を作ってやる、という事が目的。
ロールバーでガチガチに固めた車、そんなのに乗った事のある人は少ないと思いますが、あれも硬いだけじゃなく、しなやかさを出すために、逃げ道を作る事が必要なんです。
勝手な持論ですが、そんな経験から、こんな風にしています。
金剛砂は余っていたので入れてみましたが、竹炭は粒が小さいので、隙間を埋める役目で入れてます。
上下の板は2枚張りで、接着後、突き板で仕上げます。 底には大き目のコルクシートを貼ります。
塗装しました。3回塗です。 パイプ部に装飾として金テープを貼ります。
幅が広すぎなので、5mmの両面テープを使い、貼り合わせカットします。 こういう細いテープ、昔車用か何かで売っていた気もするが、みつからなかったので、カットしました。
隙間がわかると思いますが、ここをエポキシで埋めます。 写真のように、こんもりさせる必要はないんですけどね(笑
なんとなくやってみました。
全体に艶消しクリアーを拭いて、完成! いかがでしょう?
スリムで奥行きの長い、中型スピーカーに合わせたサイズです。
金テープの上には、厚めにクリアー吹いたので、一体感が出て自然になじみました。
さて、いったいこの隙間はなんでしょう?と思った方もいるかと思いますが。ふたです(笑
じゃーん!ここにLS3/5aがスポッと入ります(笑
今この写真見ながら思ったのですが、別に入れる必要は・・・なかったかな・・・(^^;
まァ、こういうところが自作一点物という強みでもありますが。
密閉スピーカーは絶対、空中セッティングがいい! そんな経験からこのようにしてみました。
インプレですが、
狙いどうり低音が下に抜けてくれます。 スピーカーの周りにへばりつくような音が、広がる方向へと変化しました。
後ろの壁に近い方が、より広がりを感じられます。
LS3/5aは本々定位が良く、あとは空間表現だけです。
音のシャワー、とまでは言えませんが、だいぶ改善され、音楽を十分に楽しめます。
私が作ったスーパーツィーターをドッキングさせれば、音に包みこまれるようになり、鬼に金棒です。
振動はどれぐらい効いているかわかりませんが、箱鳴りのひどいスピーカーを、大音量で試してみたいと思います。
パイプはもう一回り大きいサイズ(内径30mm、外形38mm)で悩みましたが、それだとちょと、太っちょに見えるんですよね。
中間があればいいなァ-なんて思っていました。
あとは足をハの字にして、下に前に抜ける、そんなのも考えていましたが、デザイン的に微妙だったのでこれにしました。
裏側から 何か不思議な絵図らに見えてきました(笑
蓋をしてもしなくても使えます。
最後に。
和室での使用という事を考慮して、御影石を用意しました。
これでより安定し、響きも多少強くなると思います。
高さは御影石も入れて約550mm、1台約9Kg。 インシュレーターとかをかますと思うので、この辺りでおさめました。
低いのは、ブロック石とかレンガかまして高くできるが、逆は無理でしょ。
この、高さ調節が以外に大事な事で、もし台を作るなら、できるだけ応用がきくように考えてみるのもいいでしょうね。
気に入ってもらえると嬉しいが。
次回はメーカー製スピーカーに戻りますが、材料があるので、自作品も何点か作る予定でおります。 お楽しみに^^

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