●前回、自作RCAでも、ここまでできるんだ!
とその実力に驚かされたので、
今回はさらに上を目指し、ハートに突き刺さる音が再現できるよう作ってみます。
特に低域の量感・馬力は重要な課題です。

素材。プラグはモンスター24金メッキを使います。
18金より24金のほうが精神的にはいいですね。
その他、本体ケーブル、シールド材などなど。
●線材はこちらで、わりと特殊な物です。
左、24AWGテフロン銀、より線ダブル。
右、26AWGテフロン銀、単線トリプル。
14〜26AWG、異なる太さのより線や単線、
OFC銅線など、12種類の線材を30通りほど組み合わせ視聴を繰り返し、
気の遠くなる作業で実験しました。
その結果が写真の組み合わせ。
素材そのものも重要ですが、
細い線を何本も組み合わせた物が、低域には一番の効果がありました。
微妙な差で判別不可能な状態などもあり、
選別作業は、中々大変ですね。
●5本の線材を軽くツイストします。
●キッチンで良く使うアルミホイル、
それを細く切り巻いていきます。
●アルミ箔巻き終わり。
さらに銀メッキの網シールドを装着します。
●本体・外側の被覆ケーブルに、さきほどのものを通します。
スムーズに挿入できる意味も兼ねて、
アルミ箔の周りにはスクワランオイルを塗りました。
●内部はこんな感じ。
絵的にもありえない感じですよね。
●外装もさらに、網編シールドで覆っていきます。
ここまでやれば、シールドは完璧でしょう。
●ベースができました。
なんとこの2本で、片チャンネル!なんですよ。
+-・HOT・アースの干渉が徹底的に無くなるよう、考えた結果です。
電源ケーブルもそうですが、アース側を軟弱にしたり、逆に強化したりはせず、
あくまでもバランス重視にしてみました。
●本体末端を熱収縮チューブで処理します。
チューブは柔軟性のあるスミFZ、使いやすい。
●この時点での太さは約6.5mm。
●一本でもインタコとしては太いほうだと思いますが、
鬼のような太さの電源ケーブル(自作)と比べると、細く見えてしまいます。
●プラグに線材をあわせます。
先にハンダをなじませておくと、簡単に取り付けできます。
●ハンダ付け。
ドイツ製、WBT銀ハンダ使用。
銀メッキ線だけに、銀ハンダはなじみが速い。
●+側もハンダ付け。
ギリギリまで詰めているので、写真のようになってしまいました。
物理的にありえないですね。
これでは、太いケーブルに対応したプラグしか使えないので、
次は効率的にできるよう考慮してみたいです。
●プラグを装着。片チャンネルに2本使用。
正直、プラグを無理やり押し込みました。
かなりの装着困難でしたが、まァなんとかなるものです。
熱収縮チューブが厚すぎるという原因もありました。
●さらに外装を、透明の熱収縮チューブで覆っていきます。
●ケーブルが2本なのでツイストも試しましたが、
あまりにも武骨になりすぎるので、素直に平行にしました。
●チュービングが完了し、ようやく完成!
これでもか!というほど手間をかけた、お化けケーブルのできあがりです。
太さ約14mmとかなり太いですが、柔軟性もソコソコあります。

メーカー製も多種多様ですが、このようなタイプはありませんね。
これで20メートルも線材を使っているんですよ。
コストもだいぶかかっています。
外国メーカーがこんな物を出したら、希望小売価格はいくらつけるのか。
10万、20万はザラでしょうね。

さてインプレです。
自分で言うのもなんですが、いいですよこれ。
単線の透明感バツグンな中域、透き通るようなボーカルはとても魅力的ですが、
低域の量感不足が、全体を薄くしてしまい、魅力が半減してしまいます。
そこで、特に低域にこだわりをもち重要視しながら、
中域・ボーカルの綺麗な部分が出せるよう考慮して作りました。

単線と撚り線の組み合わせはバランスが悪いかな?という、
イメージでの懸念もありましたが、組み合わせるものによってはマイルドになり、
さらに双方のいいところも感じられるので、このやり方もありでしょう。
太目の撚り線の場合、それのみでバランスが取れているものも多いので、
バランス+バランスだと、逆に濁ってくるような傾向も見られました。
だからシンプル+シンプルで、コクを出した感じです。
さらに銀線使用により、雑未の少ない、透き通るような透明感も
上手く引き出せていると思います。、

変化の度合いは少なめですが、スピーカーネットワーク、クロスオーバーにも
共通する部分がありました。
上が欲しければしたを消す。下が欲しければ上を消す。
その中間的位置が、ウェルバランスといったところでしょうか。
とにかく線材選びが重要になりますが、
作業も含め、ネットワークよりも難しいと思います。

弱点は細い線の組み合わせなので、情報量が少ない気もします。
その分、分解能力や立体感が、逆に向上しているので、
初めて聴いた場合、ドキッとするような刺激がありました。
ハイエンド的な特徴でもありますね。

写真で見るよりも、はるかに手間がかかったRCAケーブルでした。

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