●以前から構想を練っていたスピーカーベース・台を作ります。
本格的に作るのは2回目で3年ぶり。
ただ今回は、普通のSP台ではありません。
期待して見てください。

材料はこんな感じ。
丸ノコ仕様ですが、たくさん切るのは、ほんと骨がおれます。
●フォックやクーナルを塗って作ったインシュレーターと同じ丸材。
丸棒に穴をあけたもの。
わざA、穴をあけるには理由があります。
左から30mm、24mm、20mm。
どれを使おうかな。
●土台部分です。
材質は一番安いコンパネ11mm。
さしてランバーコアと変わりません。
薄いので3枚かさねて使います。
穴をあける為、イラストレーターで作った図面紙を両面テープで貼り付けます。
正方形に正三角形。
●前から欲しかったボール盤。
やっと導入しました。
大きさが気になって、中々踏み切れませんでしたが、こちら卓上用でさほど大きくなく、邪魔になりません。
騒音も意外に静か。
これで垂直に穴あけができますね^^
ただ高さの問題があり、説明書では5cmまで。実際には8cmが限界でした。
●30mmの穴をあける前に、センターに3mmほどの穴をあけておきます。
これである程度ズレなくなります。
●30mmのホールソーを持っていないので、写真にある自在錐を使います。
最小26mm〜130mmほどOK。
丸材の実寸は1mmほど小さいので、これなら29mmとか31mmなど細く設定できます。
ただ困りました。
穴をあける木材を万力で固定しているのですが、
その万力に、自在錐の長い棒があたってしまいます。
写真手前のように、他の木材をネジでサンドイッチ状態に固定してやりました。
これで解決。
あ〜数が多いと取り外しがめんどくさい・・・
●穴あけ完了。
手間がかかり大変でしたが、綺麗にあきました。
この位の直径なら、微調整はできませんが
ドリルやホールソーの方が楽ですね。
3枚かさねの、1枚にだけ穴をあけます。
●仮組み。
こんな感じになります。
●丸材の実寸は29〜29.5mmといった具合でバラつきがあります。
自然の素材ですからしょうがないですね。
少しきつめに装着できるよう0.5mmほど小さくあけます。
こういう微調整は自在錐ならではですね。
●水平器で計ります。
ほぼOKですね。
●次は接着。
普通の木工用ボンドを使います。
こちら速乾タイプ。
●ヘラで均等に塗ってやります。
大型のプレス機があれば適当でもいいのかもしれませんが、ここは丁寧にまんべんなく塗ってやりましょう。
●万力で固定。
一日ほどこのままにしておきます。
万力がこれしか無いので、正味四日ほどかかりました。
まっ気長にやりましょう。
●接着している間に、柱となる丸材に工夫をこらしてやります。
ここが、今回作るスピーカー台の最大の特徴です!
●まずは、内側に振動制御の効果があるフォックを塗ります。
ここはケチらずに厚塗りしました。
フォックの使い道もなさそうですしね。
●ようやく接着が完了。
次に仕上げをします。
切ったり、削ったりの作業では、まず素材をキッチリ固定しましょう。
作業性が格段に良くなりますね。
写真は、サンドイッチ状態で固定している所。
木ネジで上板が反る位、締め付けてやります。
これでビクともしません。
●ルーターで面取り。
ルーターは難しいですね。
写真のように焦げてしまいます。
MDFのような柔らかい素材は綺麗にできますが、
硬い木はだいたい焦げてしまうんですよね。
●サンダーで最終仕上げ。
写真のように両面テープを貼ってから、サンドペーパーを貼ると、効率が良くなります。
日曜大工では、サンダーの使用時間が一番多いです。
これは安物ですが6台目。
丸いタイプで回転するサンダーがありますが、あれは買わないほうが無難です。
ペーパーを止めるマジックテープが、すぐバカになり、その部品を又買うはめになりますから。
●一時仕上げ完了。
小さい穴やヒビなどを埋めてやり、さらにサンダーがけして完成になります。
ふー疲れますね。
角の面取りは、ゴツイ鉄ヤスリで削って、サンダーで仕上げの方が、私的には楽かも。
●素材が木なので写真のように穴や、ヒビほどの窪みがあったりします。
埋めてやります。
写真の穴は5mmほど。
●まず木工用ボンドを穴に詰め込みます。
●次にサンダーで、でた細かい削りかすをまぶしてやります。
無ければ、とのこなど使ってもOK。
指でトンAたたいて、ならしてやります。
乾いたらサンダーで仕上げます。
MDFなんかは、こんな感じで作られた板ですね。
木工用のパテを使ってもいいですが、わりと高額ですし
わざA買わなくても、これで簡単に補修できます。
仕上がりも超自然ですしね。
●土台の仕上げも終った所で、丸材に入れる素材を紹介します。
一般的には砂を用いると思いますが、ここにもこだわってみました。
写真奥がTGメタル、つぶじょうの鉛。
手前左がトルマリンの粉末。右が竹炭の粉。
ふだん使わないような素材たちですね。
以前ネットで買った竹炭の粉は、粉というより、ただハンマーで砕いた感じの粗め。
粒が大きく、バラつきがありましたが、
今回使う竹炭の粉は、「 竹虎 」さんで購入。
安いのに質が良くてビックリ。
粒子が細かく、色々と使えそう。さすが専門店ですね。
不織布に詰めて、エンクロジャーに入れれば
吸音効果も期待できそうなしろものです。
●比重が違うので、丸材一本に入れて、重さを計測。
TGメタル6:竹炭の粉3:トルマリン1
ほどの割合にしました。
●ブレンドA。
こんな食べ物・・・無いですね(汗
●100均で買ったジョウゴを使います。
写真のようにして、先ほどブレンドした物を詰めていきます。
●満タンに詰めます。
少し粉末が舞いますが、簡単にサラッと入ります。
●詰め終わり。
少しトンAして、さらに補充してやります。
●全ての丸材にブレンドした物をつめます。
砂を詰める物は、ありますが
こんなの無いでしょ!
まさに創作です。
制振効果が期待できるかな?楽しみですね。
●3種の素材を詰め終わり、土台を接着します。
丸材がキツメになるように穴をあけているので、ハンマーで微調整する事ができます。
●横OKですね。
●縦もOKです。
フローリングなどの床はゆがんでいる事があるので、
水平なテーブル上で作業するのが、よろしいかと。
テーブルも水平かどうか計っておきます。
●完全に接着、できました。
ここまででも、長い道のりでした。
さぁ気合を入れて、最終の塗装に行きましょう!
●まずは、下地にとのこを塗ります。
とのこはあくまでも、目止め程度の物です。
パテじゃありませんので、表面ツルAにはなりません。
木目を最大に生かし、塗装をしやすくしてくれる効果があります。
といってもランバー、ラワン、コンパネ等の部材は綺麗な木目はありません。
杉あたりは木目が解りやすく綺麗ですね。木!
ツーバイフォー、米松合板なども値段の割にはいいと思う。
見た目重視でいくなら、安いコンパネにツキ板仕上げが一番でしょう。
ただ材料代も高くなりますね。
その辺りは好みの問題。
元々塗りつぶしを考えているなら、シート張りのコンパネかMDFを使うのがいいです。
パテで仕上げるよりも断然楽ですね。
●さて、とのこを水でときます。
とのこ、水1:1ほど。
泥のような感じ。
写真は黄土色ですが、乾けば白くなります。
とのこにも何種類か色があります。
●とのこを塗り、周りが少し乾いてきた所で、硬く絞ったタオルで強くすりこんでやります。
これをする事で、表面がだいぶ平らになります。
乾いてからペーパーがけでもいいでしょう。
めんどくさいが、2回繰り返すと効果的。

どんな物の塗装でもそうですが「下地が一番大事で」、
ここを手抜きすると、仕上がりに大きな差がでます。
木材に塗装して完成後、あ〜ぁなんかカッコ悪い、塗装が変、とか経験ありません?
ここが大事なポイントです。
●とのこ完了。
すぐに乾くので塗装にうつれます。
●さぁ〜て、何色にしようかな?
塗ってしまったら、もう後戻りはできません。
慎重に色を選びます。
素材により色が少し変わりますので、同じ素材を使い試し塗りをしてみます。
●こちらニス類を2回塗りしたもの。
うぅ〜ん、好みがなく納得できません。
ニスの中途半端なツヤもダメ。
下地素材がコンパネだから、という点も大きいですね。

この中では、以外に100均のニスが塗りやすく発色も良い。
種類も多いし、割とオススメかもしれません。
●早速別の塗料を買ってきました。
こちらはステイン系。
ツヤはあまりでませんが、自然な感じで仕上がります。
●うぅ〜ん、またまたどうも・・・ストライクゾーンに入るものがない。
いい加減決めろよ!って感じですね。疲れてきました。
結局、写真右下のレッドオークとマホガニーを混ぜた物をベースにしていきましょう。
調合して色を作らないと、どうも納得できません。
ガンプラ作りでも、よく調合しピースコン(エアブラシ)で塗っていました。
これほんとにただのベニヤからできてるの?
と思われるような高級感を出したいです。
ステインは昔からよく使いますが、アトムが一番発色が良く迷ったらオススメですね。
●ようやく塗装にとりかかります。
筆はニス用、水性用、油性用と色々あり迷う所ですが、
なるべく毛が細めで柔らかい物をオススメします。ムラになりにくくなりますよ。
触ってみて、感触が気持ちいいものが質が良く◎
たまにホームセンターのセール品なんかに混ざっている事あるんですよね。

1回目の塗装は水で3割ほど薄めた塗料を使います。
いきなり原液を塗らないのは、重ね塗りを前提としているからです。
手間はかかりますが、薄い物を重ね塗りする事で、ムラも少なく
割と綺麗に仕上がります。

まず木目の流れに合わせ、直線的に塗っていきます。
塗料が重なる所は濃くなりますので
1面全部を、はなるべく素早く塗ります。

端は筆を止めないで、塗り抜きます。
缶スプレーと同じ塗り方で、角がダマになりにくくなります。
綺麗に仕上げる為の小技ですね。

極端に言えば、塗料の中に木材を漬け込んでやると
均等でムラになりにくい仕上がりになります。ドブ漬ってやつですね。
小さい物は有効ですが、ほとんどの場合厳しいですね。
お店の外壁などで、塗料(計8L)をトレ―に入れ、漬けこむような事をやった事があります。
大量の場合は楽ですね。
●←悪い例。
別の面に塗料がかかってしまいます。
●フィニッシュはこういう感じで。
●1回目の塗装完了。2〜3時間乾かしてやります。1回目は塗料をよく吸うので乾きが早い。
塗りづらい場所はムラになりましたが、気にせず進めます。
解っているなら、組む前に塗装してしまうのも、ありですね。
●塗装完了!
2回目を塗り、一日おいてから3回目、半日おいて4回という感じで塗りました。
いかがでしょう?
しっとりした高級感があるようなイメージにしました。
筆塗りは手間がかかりますね。
缶スプレーの方が楽です。
今度は、スプレーニスでも試してみましょう。
●底面に2mm厚のコルクを貼ります。
側面の3枚重ねシマ模様も、味があっていいでしょ。
●完成!!!
ついにできました。気長にやったので、製作期間3週間ほど。
小型〜中型スピーカーに合うサイズにしました。
重さは約2.5k(一個)。サイズからは想像できない重みがあります。
上面は15cm角、少し小さいですが、考えがあるので、こうしました。
高さは約31cm。
市販のテーブルと同じ位の高さです。
私の場合、普段は座イスで聴いてますので、いい高さですね。
ソファーに座って聞く場合は、低いです。
横置きにすれば、多少の大型スピーカーを置けるようにも使えます。
このスピーカー台と同じ仕様で、ミニミニサイズも作ってます。
●さてインプレといきましょう。
いつも沢山のスピーカーに囲まれているので、台はいつもスピーカー。
スピーカーの上にスピーカーを置いて聴く事が多いです。
唯一の大型スピーカー用の台がありますので、それと比較してみましょう。

・・・中々いいですねこれ。あくまでも自己満足ですが。
全体がググッと引き締まり、輪郭がシャープになりました。
だから定位感も向上したような気がします。
床に伝わる振動も、なかなかどうして少なめでいい感じです。
金属製のベースとも比較してみたいですね。

手間隙かけて丁寧に作ったので、自己愛もありますが、
ただの木材よりは、制振効果も向上してる感が、おおいにうかがえました。
苦労したかいはありました。
暫く活躍してくれそうです。
これで音楽聴きながら、もう次の台作りの構想を練ってる始末。
どうせ作るなら・・・と、奇抜なデザインもいいですかね。
大満足の日になりました。

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