●久々の登場!ダイヤトーン! U
今回はダイヤトーン最終シリーズとなるZXから、200ZXのご紹介です。 U
200シリーズはさんざんやりましたが、ZXはお初です。 U
ようやくお披露目!!といった感じでしょうか。 U
ZXシリーズのすべてに言える事だが、前モデルと比べて見た目がガラリと変わってます。 U
ZXの代になり何か変えようとういうような志があったのでしょうか。 U
Z→ ZA→ ZX と3シリーズにわたってきた200シリーズ。 U
最終モデル、ZXの実力はいかに!? さっそくはじめましょう。
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DIATONE DS-200ZX 1996年 \64,000円(ペア)
メーカー解説:
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:2.5cm ボロン化チタン ・低域用:16cm アラミッドクロス
再生周波数帯域 45Hz〜40000Hz
インピーダンス
出力音圧 89dB/W/m
クロスオーバー周波数 3KHz
外形寸法 幅210×高さ350×奥行220mm 約10L
重量 7kg
●音出し前の確認作業。
ダイヤトーンはガチガチエッジが多いので、まずは硬さをチェックします。  U
今回のZXもカチカチだろうと思っていると・・・ U
以外や以外、やや硬めの半生タイプで、ギリギリOKといったところ。 U
微妙な硬さではあるが、ストロークが重めなので完全ではないようです。 U

で、一応音出し まずは一言
やっぱ硬いわ

ウーファーの動きが鈍い、ストロークが不十分ということもあり、その音質はやはり不完全。 U
ただボーカルのフィーリングはいい感じです。さっそくエッジを軟化させました。 U

で、軟化後の一言
あれれ? スッキリ感はいいんだけど・・・

ZやZAはかなり前の視聴で、細かなニュアンスは忘れてしまったが、 U
ZXはどちらかというと初代Zに近い気がしました。 U
だが決定的に違うのは”中域がスッキリ ”しているところ。 U
このフィーリングは良いもので、ボーカルの輪郭が明瞭でリアリティが増してます。 U
エッジはだいぶ柔らかくなったが、それでも低域の量感がやや少なめ。 U
これはユニットだけでの問題でしゃなく、箱やポートの影響もありそうです。 U
ZXに塗られていたダンプ剤は、ZやZAのものとは あきらかに違うのも原因かもしれません。 U

高域はダイヤお得意の”ボロン ” U
音質は金属ドームよりやや硬めの印象で、ソフト感はありません。 U
メリハリはあるものの、やや刺激的なのがたまにきず。 U
フロントポートから出る中域が、かき消されるくらいのクリアー質です。 U
バランスも良いとは感じませんでした。 U

ZやZAとは一聴してわかるほど、中域がシャープ、ボーカルが明瞭です。 U
ただ様々なソース(J-POP)を聴いてると、ソースによっては U
やけにキンキンカンカン鳴る時があり、その音はとても耳触りなものです。 U
身近なところで言うと明治のCM(キシリッシュ・木村カエラなど) U
冒頭にチコリーンというような高い音が鳴るのだが、 U
その音が突き刺さる、刺激的すぎて耳障りに聞こえるほどです。 U
さ行のきついスピーカーは多くありますが、ZXは か行やた行まで耳についてきます。 U

よりクリアーな音質へ!ということで開発されたボロンドームだが、 U
ここまでくると褒められたものではありません。 U
それとエッジが柔らかくなったウーファーも、粗が出すぎです。 U
音がいいというのは=心地いいということ U
何時間でも聴いていたくなるような音、このZXで心地よさを再現できるのか不安です・・・ U
まずは原因を探ることにしましょう。
 U
●見ためはすごくかっこいい!!
Z、ZA、ZXの微妙にサイズを変更したのはなぜでしょう。
●写真の色味が少し濃いか?
実際はもう少し白木に近いタイプで
そんな色調はわりと新鮮です。
白木風の外装に黒が合わせられており、
パッと見”おしゃれ〜 ”と感じる雰囲気です。
●ユニットを外します。
まずはウーファーのカバー(ゴム)を外す。
接着されてるが、手で簡単にはがせます。


ウーファーは普通の+
ツィーターは六角になる。
●箱の内部。
所々に細かい補強があるのは ダイヤの特徴でもある。
ZからZAで吸音材が増やされているが、こちらZAと同じくらい。
で、その奥を覗いてみると
●ネットワークがありました。
しかもあきらかに変更されていました。

ZやZAと違い12dB/octに変更されたことが
中域・ボーカルを”スッキリ ”させた要因です。
●ウーファー。
フレームやマグネットはいたって普通。
ダイヤトーンは茶色の同系色でまとめられている事が多いがZXは黒で統一されてました。
お洒落ですね。
●コーンのアップ。
アラミドクロスと呼ばれいる素材だが、ようは硬めのナイロン布のような感じ。
通常はこれにコーティングするのだが、
ダイヤは何も塗らず、この素材そのままというのが
こだわりの一つらしい。
少しだけ凸凹してるので、ティッシュで拭くとボロボロになる。
音はいまいちだが、かっこいいウーファーです。
●さて、これはエッジの軟化作業。
エッジの凹部分にシンナーを流し込み
しばらく放置した後ダンプ剤を除去していきます。

体にやさしいアルコール系では溶けなかったので、
シンナー(ラッカー系)を使いました。

ちなみに今、TEAC S500Rのエッジを軟化させてるのだが
それはエッジの表面、凸部分にダンプ剤が塗られており、作業が難しいく大変です。
●ツィーター。
割れたボロンを見た事はないのだが、
何か割れそうな印象もあるので作業は慎重におこないます。
55XLではペコッとした気もするが、
とにかくボロンは掃除もやりにくく 神経使います。
●さて、一気に飛びましたが、箱が仕上がりました。
内部もしっかり調整。
ネットワークは文章にしたくないほど大変な作業でした。
●最後にユニットを取り付け
●完成!! いかがでしょう。

外装はパッと見た時のいい雰囲気を崩さぬよう、艶消しで仕上げました。 
U
今回も極みチューンでポテンシャル最大に引き出した、と言いたいところですが、 U
悪いところを改善するので 手いっぱいの内容でした。 U

そしてようやく、ようやく完成!!しました。 めちゃくちゃ大変でした。

大変な作業なのはたった一つ、嫌みな音を消すこと。 U
完全ではないにしろ、かなり激減させることができました。 U
そして今は好きな音楽を”心地よく ” 聴けるほどに変わりました。 U

最初のインプレで感じた、耳に突き刺さるような中高域。 U
これを低減させるには、ネットワークを根本から見直す必要があります。 U
ツィーターなのかウーファーなのか、どこから耳障りな音が出るのか、 U
まずはそれを知る必要があります。 U
一番酷い帯域の目処がついたら、次はクロスポイントを少しづつずらしていき、 U
耳障りな音が消えるまで調整していく。 U
そんな作業の繰り返しとなります。 U
とにかく一筋縄ではいかない作業でした。 U


さて、ダイヤトーンと言えば、そのほとんどはエッジが固まってます。 U
エッジを柔らかくするれば低域はだいぶ出るようになりますが、 U
同時に中域の量も多くなるので、全体のバランスを整えるには、 U
それなりのセッティングが必要になってきます。 U
200ZXのできたて新品を聴ければ、開発者の意図がもっと見えると思いますが、 U
エッジを柔らかくしたからといって、それが良い音につながるわけではありません。  U

エッジが硬い時は、良い所に加え悪いところも抑えられてます。 U
だから柔らかくなったことにより、良い所も悪い所も両方出てくる場合もあります。 U
すべてがこれにあてはまるわけじゃないが、今回のZXはそういう特性でした。 U

ひょっとしたらメーカーは、それをも見越してエッジを固めてるのかもしれません。 U
ダイヤトーンとはデザインも良く、バックボーンも一流企業ですが、 U
やはりスピーカーは”音が命 ” U
いつまでも聴いていたくなるような音、そこをもう少し考えて欲しかったです。 U

最後に。U
今回は正直、いい結果を出せるのか不安でしたが、 
今は安心し、ほっと胸をなでおろせました。 U

人それぞに好みはありますが、気持ちいいという感覚はきっと同じです。 U
音もそう、いかに”心地いいか ”が大事であり、 U
気持ち良く聴いていられるからこそ、「 このスピーカー音いいな 」なんて言えるのでしょう。 U

 今回でようやく、ダイヤトーン200シリーズが出そろったわけですが、 U
結論から言うと、200シリーズの中で一番良い、私好みは”初代Z ”でした。 U
古き良き時代の製品には、まだまだ追いつきそうにないのかな。 U

さて次回、う〜ん、何にしようか? 楽しみにお待ちください♪

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