●今回は2度目の登場となるパイオニア製品、S-N901-LR。
数多くやってきた割には、パイオニアは2回目ですね。
私が初めて買ったコンポがパイオニアだったので、
そういう意味では思いれがあり、好きなメーカーの一つです。
中森明菜が良くて購入・・・と言えるかもしれませんが(笑

しばらく愛用してる時、たまたま入った中古屋でONKYOのコンポをみつけました。
軽く鳴らしてみると、そのコンポがなんと低音の出る事か!!
すぐに気にいってしまい即効購入。
今考えると、ONKYOのやつがもの凄い低音ではなく、パイオニアのほうが
出無さ過ぎなのかもしれません。
ONKYOは3wayで普通の丸いユニットだが、パイオニハは四角いやつでした。
もう一度そのスピーカーの音を聴いてみたいものです。

今回ご紹介するS-N901-LRは、シンプル&ハイクオリティを追求した高性能システムコンポーネント
ナチュラル・サウンド・システム “ FILL ”シリーズのスピーカー。
なんともかっこよくて微妙な名前(高性能)だが、コンポ用という事でこんな前フリになりました。
Pioneer S-N901-LR 1998年 \48,000円(ペア)
メーカー解説:
方式 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・防磁設計
使用ユニット 高域用:2.5cmドーム型 ・中域用:3.5cmドーム型 ・低域用:16cmコーン型
再生周波数帯域 35Hz〜60000Hz
インピーダンス
出力音圧 86dB/W/m
クロスオーバー周波数 KHz
外形寸法 幅210×高さ340×奥行310mm 約13L
重量 8kg
●さて、ユニットに問題無さそうなので さっそく音出し
まずは一言
「 おっ、けっこうワイド感ある、いいね 」

まず初めにいいと感じたのは高域。
刺激的なのにどこか柔らかい、外国製スピーカーのような鳴り方。
小粒だけどピリリとする、そんな刺激は嫌みがなくいい塩梅、ほどよい加減で主張してくる。
このような音の出方は3wayの特徴でもありますが、
加えてネットワークも”技あり!!
「 3wayの優位性を存分に活かしたセッティング 」なんでしょう。

優秀な高域に合わさるのは、これまた嫌みのない中域。
やや凹気味でクリアーの強い質感は、クッキリ・ハッキリ聴こえてくる。
全体がもやーっとしてるので、このクッキリ感がスパイシーな感じです。
大きめなソフトドームのミッドは、見ためだけでも音が良さそう。
低域は量感もそこそこある、そして全体のバランスも悪くない。
かなりデキのいいスピーカーと言えるでしょう。

だがしかし、残念ながら完璧ではありません。
パーフェクトなスピーカーなんて中々ありませんが、唯一気になったのは中・低域。
低域の量感はいいのだが、やや箱鳴り感がある。
これは日本のスピーカーで多い症状ですが、わりと改善できるので良しとしましょう。
そして中域の低いところ。
ここが一番気になったところ。
男性ボーカルで低い声の人、例えば鈴木雅之さんとか、
その辺りの帯域が濁りすぎというかこもりすぎで具合悪し。
そのちょっとだけ上の帯域、女性ボーカルになると急にクリアー質になる。
そんな極端なところにギャップがあり、違和感を感じた。
簡単に言うとドンシャリタイプだが、かなりソースを選ぶスピーカーとも言えそうです。

そのソースだが、はっきり言ってJ-POPは合いません。
録音の良いボーカルものやJAZZボーカルなどは ぎりぎり聴けると言ったところだが、
あまり気持ち良くない。
シャリシャリした嫌みのないクリアー質なので、TVとの相性はいい感じです。
一番いい相性は、室内楽とかオーケストラでしょう。
オーケストラは大型3wayが一番だと思うが、それほどスペースを取りたくない!!
そんなニーズに 真価を発揮してくれそうです。

良い面と悪い面が同時に出てる、だからよけい残念と思ったのだが、
悪い部分を改善できれば、かなり高レベルなスピーカーになりそうです。
3wayなんでバランスを取るのには苦労しそうだが
どこまで改造するかは中身をみてから、まずはじっくり内部検証してみましょう。
●ありそうでない小型3way。
なんかやってくれそうな見ためは、好感もてます。
●縦横はDENON 232と同じくらいだが、
奥行きが意外と長め。
ONKYO LTDシリーズと同じよう、
低域の量感を増やす為の設計でしょう。
●ユニットを外します。
細かいところまですべてカバーしてある。

こういう心意気・心配りは、
日本製品ならではでしょうね。
世界に誇れます。
●背面ターミナル。

ユニットを外す時↑のように寝かすわけだが、
このターミナルが箱より出てると、少し神経使います。
これはほんの2mmほど凸。
微妙なので写真撮ってみた。
●こちらウーファー・ネジのカバー。
少しだけ硬質のプラスチックでできてるのだが、
外すのがやや大変。
●ツィーターとスコーカ―(ミッド)はフェルトが貼ってある。
それを剥がすとネジ(+)が出る。
フェルトは再利用するので、丁寧に剥がします。
●ようやくユニットが外れました。
けっこう時間かかってます。

内部はいたってシンプル。
吸音材は薄目のフェルトが底と背面に貼ってある。
背面ポートの周波数は約50Hz。
●ウーファーを外した時、すぐに目に付いたネットワーク!!
底に貼ってあるのだが、
グレードの高い部品が使われている!!
このスピーカーに対する意気込みが感じられますね。

これを見るかぎり2wayのようなセッティング
構成であることがわかった。
ただし一般的な2way+スーパーツィーターのものより、
スーパーツィーター部はしっかりとカットされている。
このあたりも設計者のこだわりなんでしょう。
●こちらウーファー。
エッジはゴムで弾力は問題ない。
フレーム・マグネットは一般的。

コーンは紙製で何かコーティングされているような感じ。
掃除がしにくい、細かい凸凹が特徴的です。
●こちらスーパーツィーター。
外した時軽かったんで、たまにある
おもちゃのような物かと思ったが、
きちんと作られていたので、なぜか安心しました。
マグネットはたぶんネオジウムでしょう。

パイオニアらしいというか、
サラッとした爽やかな音質です。
●こちらはスコーカ―(ミッド)。
このままツィーターでも使えそうなほど
上まで伸びており、下もしっかり出る
優秀なユニットです。
だがネットワークが単純なので、
この性能を引き出せていないようにも感じました。
●3.5cmのソフトドーム。
ほとんどが2cm〜2.5cmなので、
けっこう大きく感じます。

ドーム部表面に何かダンプ剤のようものが塗ってあり
ゴミが沢山付いる。
私はまずブラシで汚れを落とします。
次にこんな毛などは、テープを使ったりして取るのだが
このドームはゴミが接着された状態で中々取れません。
毛抜きを使い、ようやく綺麗になりました。

そして所々乾いたりはげたりしてるので
●新たに表面処理します。
メーカーはもちろん、
業者もこういった修復はやらないと思うが、
隅々までおこなうメンテが私の特徴でもあります。
きちんとやればやっただけ
必ず結果が付いてきます。
●箱を仕上げたあと内部調整。
わかりずらいと思うが、
けっこうな量の吸音材を入れました。

ユニットを取り付け
●完成!! いかがでしょう。外装はシックな3部艶仕上げ。

今回のチューニングは、基本的性能を上げてやる極みチューンですが、
どうしても気になった中域を少し凸にしました(ネットワークチューン)。

2wayの長所はその声質にあり。3wayでは出せないようなリアリティが簡単に出せる。
3wayの長所はずばりワイドレンジ。部屋を包み込むような豊かな音場が表現できる。

2wayでもワイドを求めた鳴り方のスピーカーはあるが、バランスの悪いダイヤトーンのような
中域ばかりがでしゃばるような音で、心地良さがありません。
だが3wayは、すべてがワイドとは言いきれないし、ワイドだから良いのか?と言うとそうでもない。
3wayの弱点は定位の悪さやボケ具合。
音が広がるので逆に一点に定まりにくく、場合によっては”あまい・あいまい ”な音に聴こえてくる。
そこをカバーする為に中域などをクリアーにするのだが、やけに不自然に聴こえる物も多い。
2wayのような”ビタッ ”と決まるリアリティを出すのが難しいのだが、
ネットワークのセッティングによっては出せない事もない。
今回のN901も、ワイドな音を無理やりクリアー質にして照準を定めるような
そんなセッティングでもありました。
だからクリアーな中域なんだけど、一ヶ所に定まらない、少し不自然な違和感がありました。
そんなところを、なるべくナチュラルになるよう改善したのが、今回の極みチューンです。

極端な変更はしていないので、音がガラッと変ったわけじゃないが、
男性ボーカルは、かなり”自然な雰囲気 ”になりました。
ただしこのスピーカーはこのスピーカーの味・特徴があるので、
得意とするジャンルを鳴らしてやるのが、一番ベストな使い方でしょう。

ボーカルはやや苦手で、室内楽〜オーケストラとの相性が抜群です。
オーケストラなどを聴く人はシスコンとか買いそうにない印象なので、
当時、ニーズが合っていなかったのでは?と 、ふと思えました。

だが今回の901、良い所もたくさんあります。
最大の特徴はなんといってもコンパクトということ。
お聴きになるソースとの相性が良ければ、あえて大型3wayを使わなくてもいいほどで、
音質的にも、十分に満足できるはずです。
そして見た目に” ”があり、所有する喜びも味わえるはずです。

最後に。
私はパイオニア製品の経験が少ないので、メーカー(設計者)の意図がまだまだ見えてきません。
昔からわりと良い印象ではあるが、売る為の物作り、
いわゆる音質へのこだわりではなく、見ためや流行などを積極的にとりいれる
そんなミーハー的指向が強いというような印象も感じました。
 それが悪いという事ではなく、商売をする上ではあたり前のことだが、
消費者のニーズにあってないような気がするところは、少し残念です。
初めて買ったコンポがパイオニハだっただけに、変な思い入れがあるのかもしれませんね。
 今回のN901、細かい所まで随所にこだわりの感じられるスピーカーでした。
本物志向の方でも十分に通用する音質でしょう。
そして美を追求するメーカーなんだという事も、大いに感じたしだいです。
次回は未定・・・。お楽しみにお待ちください♪

          ・・・        ・・・・・