●今回はBOSE201、シリーズ中 四作目にあたるシリーズWで、別名214。
名前を2種類作った意図は解らないが、経緯は
201MM→201MMU→201AVM→201IV→201V となる。

以前私が紹介したのは201MMUで、パッと見、箱の作りがだいぶ違います。
現在はV(5)が発売中だが、今回のW(4)、いかなる実力があるのか?
BOSE 201 SERIES W 1996年 \45,000円(ペア)
メーカー解説:
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・セッティングフリー型
使用ユニット 高域用:5.1cmドーム型 ・低域用:16cmコーン型
再生周波数帯域 60Hz〜20000Hz
インピーダンス
出力音圧 88dB/W/m
クロスオーバー周波数 4KHz
外形寸法 幅380×高さ240×奥行170mm 約10L
重量 4kg
●エッジは布で問題なし。さっそくの音出し
まずは一言
「 おっ、低音 ちゃんと出てる 」

以前の201は低音が出ない印象だが、今回の201はきちんと出ており、
まずはその違いが感じられました。

 高域は紙ツィーターという素材のせいか、下もたっぷり出るような余裕・安心感がある。
柔らかい音質なので、突き刺さるような嫌みはない。
 中域は外国製にありがちなクリアー質、定位が良くリアリティがある。
そんな中高域に合わせられる低域は、ほど良い量感でキレもある。
控えめすぎずに出過ぎない、ちょうどいいバランス感はなんとも心地いい。
中高低 全てのマッチングが良く、いい音と言われる、基本的要素を備えたスピーカーでしょう。
だからパッと聴いただけで、音楽性豊かな音質だと感じられました。

長所は低域だが、短所もやはり低域。
低域は箱鳴りを利用した出方だが、そんな箱鳴りとは違う、何か鳴きのような嫌みが少し感じます。
きしみというような。
それさえ無ければ、かなりいいスピーカーと言えるでしょう。
201は301同様、BOSEの代名詞と言えるほど特徴ある、反射音を積極的に利用する為の形だが、
901を初めて見た時は、ぶっ飛ぶくらい驚いたものです。
ロードしかり、きっと創設者は天才なんでしょう。
そんなところもふまえ、BOSEの秘密を紐解きたいと思います。

●これは通常の置き方・横置き。
左がツィーターで右がポートになる(左写真)。

ポートは近代BOSEの特徴でもあるスリット型。
ONKYOも多く採用してる形です。
●ユニットを外します。
ネジは普通の+(やや大きめ)。
●ケーブルはこんな感じ、
ダイレクトに繋がれてました。

ほどいて外し、付ける時は同じよう
巻いていきます。

BOSEと言えば11.5cmのフルレンジドライバー(ユニット)が
印象的で、そのフレームも特徴あるのだが、
こちらは極普通、一般的なプレスフレームと
シングルマグネットでした。
●今回の201は程度が悪いのが妙に気になり
早々と綺麗に仕上げました。
●で、仕上げが完成!!
塗装し直したので、かなり綺麗になりました。

全体が黒なので解りずらいと思うが、
赤矢印・両サイドはプラスチックなんです。
本体はパーチクルボード、
筒状の板をプラでサンドイッチした感じ。
●これが内部でツィーター側。
怪しいフィラメント(抵抗)とコンデンサーのみという
シンプルなネットワーク。
ウーファーはスルー。
●こちらはポート側。
ポートは121同様、長さ(奥行き)が意外とある。
●で、ニードルフェルトを用意。
結構多めに使います。
●それをこんな感じ、プラ部分を埋めていく。

嫌みな感じはここのプラ部分だけの原因では
なさそうだが、こうする事で
かなり軽減できるはずです。
箱の調整は大事な作業の一つでもあります。
●さて、綺麗に仕上がったのだが
●今回は木目仕様にしました!!
●ユニットのオーバーホール。
ウーファー・エッジは布だが、
柔らかめなので問題ありません。
逆に裏側より補強しました。
写真じゃ見えないが、
センターキャップ(布)の奥はラッパ型になっており、
FOSTEXでよくあるダブルコーンのようになっている。
BOSEのこだわりですかね。

ツィーターもそうだが、コーンは紙なので
クリーニングには神経使いました。
ユニットを取り付け
●完成!!! いかがでしょう。
いつもページ作りの前に、そのスピーカーを検索し情報を集めます。
今回も同じよう検索すると、なんと木目の201を発見しました。
 その201がなんと”カッコいい!! ”ことか。
そんな訳で、同仕様にしたしだいなんです。

まずは外装に貼るツキ板探し、今回はツキ板単体での美しさではなく、
いかに黒に合うか ”それが焦点となりました。
最初はウォールナットでいこうと思っていたが、ホームセンターをふらふら歩いていると、このシートを発見!!
パッと見た瞬間、「 あっ、これ黒に合いそう 」と思えるほど、はっきりした黒木目が特徴的です。

これはローズウッド(紫檀)柄。本物のローズウッドは数が少なく 高級な木材の一つなんです。
スピーカーではクォードとかウイーン・アコースティックでしたっけ?
そんな感じの外国製品で ありそうな模様です。
 私的にローズウッドは好みじゃないのだが、今回は黒とのツートンカラーをイメージしていたので、
ピタッとはまった色味は、ビビットくるほどでした。
ここまではっきりした黒々しい木目は、シートならではとも言えるでしょう。

メーカー製の大半を占めるのが このビニールシート(印刷)と言われているシート仕上げであり、
誰でも耳にしたことのある、カッティングシートもその仲間になる。
今までシートを使う事は考えていなかったが、シートは格段に進化しており、
スーパーシート ”なるものまで発売されているのが現状です。
スーパーシートとはツキ板のように、リアルな質感を求めたシート。
一番気になるところの手触りも、けっこう優秀に作られてます。
ただし色や種類によっては手触りが違い、私が触ったものの中では、白木タイプがいい感じでした。

 気になる値段だが、
普通のシート、1m・1000円
スーパーシート、1m・2000円
リアルウッド・ツキ板、1m・3000円 (全て幅90cm)
ざっくりとした平均的値段だが、このくらいの差になります。
だがツキ板の場合、粘着無しタイプの値段であり、
粘着タイプはm・5000円〜6000円くらいと、大幅に値上がってしまいます。

仕上げにどこまで金をかけるのか予算が問題になるわけだが、ツキ板は以外に高いですよね。
高い上に塗装も必要なので、さらに予算をみる必要もあります。
手間も金もかかるツキ板だが、最大のメリットはその質感・雰囲気でしょう。
今までのシートはへっぽこすぎて、使う気にすらなれなかったが、
今回のスーパーシートで、だいぶ見方が変わりました。
これでさらに質感や種類がUPすればいい事尽くめで、ツキ板の必要性が無くなるかもしれません。

今回は外装・シートの話しばかりで、肝心の音質を書いてませんが、
最初に気になった嫌な感じは無くなり、かなりいい具合で鳴っております。
確実にワンランク上、品のある上質なスピーカーになりました。

最後に。
冒頭でも述べた特徴あるこの形、ツィーターが斜めを向いた作りだが、
文章よりもわかりやすいと思い、写真(最後)を載せてみました。
ここまで狭い部屋はないと思うが(笑
使い方はもちろん、BOSEの意図なんかも、わかったような気がします。
どんなスピーカーでも言えることだが、置き方・セッティングは大事なファクターの一つであり、
オーディオの楽しみ方の一つでもあるでしょう。
何か心にうったえかけてくるような、そんな奥の深いスピーカーでした。
次回もBOSEの続編です。お楽しみに♪


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