●今回ご紹介するのは、YAMAHAのNS-2というスピーカー。
ヤマハと言えば テンモ二やセンモニ、いかにもモニターって感じのスピーカーを連想しがちだが、
今回のNS-2はそれらと比べ、見た目はごく普通ある。
黒のモニター!!という印象が強いだけで、逆にこういうのが一般的に多いスピーカーなんですけどね。
果たしてどんな音色がでるのか!? さっそくはじめましょう。
|
YAMAHA NS-2 1995年 \30,000円 |
●メーカー解説: |
方式 |
2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・防磁設計 |
使用ユニット |
高域用:2.5cmドーム型 ・低域用:13cmコーン型 |
再生周波数帯域 |
60Hz〜30000Hz |
インピーダンス |
6Ω |
出力音圧 |
90dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
4KHz |
外形寸法 |
幅190×高さ310×奥行210mm 約7.5L |
重量 |
4.5kg |
|
●ユニットは問題なさそうなのでさっそく音出し
まずは一言
「 ちょっと雑味があるけど、バランスがいい。なんかヤマハっぽいなあ 」
まず感じたのは全体が雑というか安っぽいというか、日本独特な雰囲気を持つ音質。
だがしばらく鳴らしているとユニットがこなれてきたのか、だいぶ中・高域が伸びてきた。
中域はフロントポートらしさのある、凸気味の音が飛び出してくる。
ヤマハは紙コーンに拘りがあるのか、いかにもヤマハらしさのある 柔らかい音色にも感じました。
長所はやはり中・高域。
比較的安い価格のスピーカーだが、この時代のツィーターは今のものより洗練されている。
さわやかで透明感があり、かつキラッと光るような刺激的な伸びが、淡々と伝わってくる。
その分逆に、低域が少し軽くなってきたのが残念。
積極的に箱を利用した低域、やや箱鳴り気味の低域は昔のスピーカーに多い傾向だが、
ブーミーな感じは出ていないので、全体をスッキリと聴かせてくれる。
だからトタール的に、バランスは整ってるほうでしょう。
今、同時進行で ONKYOのD-S7GX をやってるのだが、
こちらも廉価版なりの特徴があり、NS-2と似た一面がある。
たぶんどちらもネットワークが甘く、そこをしっかりやりこめば、さらに深みの出る音に仕上がるはず。
ポテンシャルが高そうな今回の2機種は、いつものごとく改造しがいがありそうです。
素材の良さそうなスピーカーとも言えるでしょう。
そんなところで、さっそく内部検証に入るたいと思います。 |
|
●見ためがちょっと渋い、古臭いかな?
ネットの色が同系色あたりは洒落てますね。 |
●ユニットを外します。
まずはウーファーに付けられたフレーム。
これはただ押し込んであるだけだが、
プラ製なので割れる恐れもある。
四ヶ所に爪があるので
それを少しづつ、真っ直ぐ上に引きぬきます。 |
●フレームを外したら、あとはネジだけ。
全て普通の+ネジ。
箱の内部はがらんどう。
底に少しだけフェルトが敷いてあるが
このあたりは10MTと似てますね。 |
●ツィーター。
ドームはソフトドームだが、透明で網目状の模様がある。
何か意図があるのか?
マグネットは普通〜やや小さめ、防磁設計。 |
●こちらはウーファー。
まず気になったのはこのコーン。
パッと見すぐに”紙 ”という事がわかるのだが、
これの場合 紙というよう”和紙 ”っぽい。
金銀のラメがちりばめられている。
17、8年前、パソコンのプリンターをよく使っていたとき、
和風な雰囲気の和紙に印刷(メニュー)してました。
今では 普通に売られているのかもしれないが、
当時は東急ハンズくらいにしかなかったんです。
そんな和紙のようなコーンなので、
なにか懐かしさを感じました。
エッジはテンモ二と同じような素材で布エッジ。
だがテンモ二より厚めなのか、
若干硬かったので、しごいて柔らかくしました。 |
●フレームやマグネットは一般的だが
少し錆が出ています。
外国製では、バスレフでも見かける事の多い錆びですが、
日本のバスレフでは珍しいんじゃないですかね。
テンモ二なのどの密閉スピーカーでは、
ヤマハに限らず錆ついてることが多い。
これはバスレフで錆なんで、外国での製造なのか?
でもヤマハって昔は国内生産っぽいですよね。
錆が出やすい配合の金属なのか?
答えが解れば改善して欲しいですね。
当時の設計者は、10年後20年後に中身を見られる!!
なんて事は想定してないんでしょうね。 |
●さて こちらはネットワーク。
これも10MT同様、わりと良いケーブルがおごられている。
良いケーブルを使うのがヤマハの設計者のこだわり
好みだったのかもしれません。 |
●ケーブルは交換する必要がないので
今回はコンデンサーを交換し、
さらにクロスを少し変更しました。
中域、特に声質を、ややクリアー傾向に
もっていくためです。 |
●ユニットは分解・清掃。
紙コーンはクリーニングするのにも神経使います。 |
●箱の仕上げ。 |
●外装が終わったあと、内部を仕上げていきます。
今回は吸音材を3割ほど増やしました。
最後にネットワークを取り付け
ユニットを取り付けますが、その前に |
●同時進行のS7を載せます。
以前扱ったので、わざわざページ作りはしなかったのだが
今回のS7は外装まで仕上げたので、
ついでに載せてみました。
ちなみにこれ、D-S7GXではなく
GXのあとにDVがついた、D-S7GXDVでした。
でも中身は同じ(笑
省略してDS7と書いてしまうと
なんかダイヤトーンっぽいので、S7にします。
ユニットのオーバーホールが完了。
このスピーカーも簡素なネットワークなので、
作り直しました。 |
●で、今回最大の特徴は前回に引き続き、
”男の黒 ”というテーマのもと
ブラックエディション!!にしてみました。 |
●塗りっぱなしではありません。
乾燥後 丁寧に磨き、きちんと仕上げます。 |
●こちらもNS-2同様、
内部の吸音材を3割ほど増やし 調整ました。 |
|
●そして完成!! いかがでしょう。
NS-2はパッと見 じみだったので、いつもより艶の多い、5、6部艶ってところで仕上げました。
少しキラッとして華がでた感じです。
鏡面までもっててもいいような 木目加減です。
S7は見たとおりの黒。3部艶ほどで 渋く仕上げました。
写真だと分かりづらいが、少し木目のような模様も付いてます。
ONKYOでこの手スピーカー、黒もあると思うが あんまり見たことないので、少ないのかもしれません。
だからとても新鮮に見えたのと、サランネットのシルバーグレーのような色が、
黒いボディとのマッチングが良く、高級スピーカーに見えるほどになりました。
そんな見た目に負けないよう、音質もしっかりこだわってます。
NS-2同様、今回の2機種はネットワークレスなので、まずはネットワークを追加してやる。
どちらも廉価版の宿命か?安っぽさのある”箱鳴り ”が少し目立っていた。
ネットワークはそのあたりを消すようセッティングにし、中域を少しクリアー質に仕上げました。
さらに吸音材を増やしたりなど、箱の微調整などなど、最終調整もしっかりやりました。
それにより、
どちらも別物と言えるほどの変化具合で、2グレードは上がったと思います。
特にS7は、とてもコンポ用とは思えないほど、いい音で鳴ってくれてます。
両方ともボーカルが得意分野だが、NS-2は紙コーンの特徴が強めに出ており、
柔らかいやさしい音色で場を包みこんでくれてます。
最後に。
最近は”男の黒 ”というテーマ、なぜか黒にはまってますが、特に理由はありません。
黒って思ったより目立たないのか?以外と家にありますよね。
いつも見慣れているだけに こんな物が増えても、わりと落ち着きある風格を放っております。
自作でかっこいい黒なんかも、作ってみたいと思いました。
次回、外国製が出てきたのですが、以外に大きいので とりあえず未定です。
何が出るかは、楽しみにしていてください♪
|