●新年、あけまして おめでとうございます。
ここ数年、特に2011年は、反省する間もないほど あっという間の1年でした。
今年の2012年は辰年ですが、60年に一度と言われる黒龍で、この年に生まれた子供は出世するらしいですね。
逆に丙午では、出生率が3割ほど減ったらしいです。
 ちなみに黒龍だの丙午だのは最近ニュースで知ったのですが、干支は血液型同様 世界共通なんですね。
恥ずかしながら はじめて知りました。
 その他、巷では2012年12月21日に地球が滅亡するという”マヤの予言 ”があり、書籍なんかも だいぶ出回ってますね。
1999年、少し盛りあがった?ノストラダムスの大予言と同じノリだと思うんですけどね。
何か起こるにしても それは突然やってきて突然消えさる、そんな あっという間の出来事なんでしょう。
それよりも、周りはの女子は女子会女子会と盛り上がっており、男子をよせつけない迫力が 年々強くなってる気がします(笑
 そんなところですが、本年も よろしくお願いいたしますm(_ _)m
AIWA SX-S999 1989年頃 コンポが48万なので、スピーカー単体なら\120,000円くらいか?
メーカー解説:DATコンポ・prio:r(プリオール) ¥477,800円
世界で初めてDATを世に送り出したアイワのプライドとテクノロジーが誕生させたDATシステム対応のコンポーネント・ステレオ。
DATを余裕たっぷりドライブするハイパワーアンプ、大型スピーカーなど、これまでのシステムコンポとは
一線を画す高性能で、あなたの胸を直撃します。プリオール、それは抜きんでたもの。
このブランドにかけたアイワの情熱は、あなたの耳で受け止めて欲しい。
方式 4ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式・防磁設計
使用ユニット 高域用:2cmドーム型 ・中域用:5cmドーム型 ・低域用:25cmコーン型
再生周波数帯域 40Hz〜30000Hz
インピーダンス
出力音圧 91dB/W/m
クロスオーバー周波数
外形寸法 幅325×高さ580×奥行275mm 約40L
重量 5kgくらい
●さて今回は、初登場となるメーカーAIWA(アイワ)のご紹介です。
AIWAといえば 誰もが知ってる日本ブランドの一つですが、実は2002年に ソニーと合併したらしいですね。
そう聞くと なぜか寂しくなりました。
 AIWAの思い出はほとんどないのですが、友だちんちのおねーちゃんの部屋にあったミニコンポが AIWAだったくらいです。
コンポといえば昔流行ったオーディオ機器であり、誰もが一度は憧れたのではないでしょうか。
↑の説明にあるAIWAのコンポ(プリオール)、売りは”世界初のDAT搭載型 ”で、お値段ななんと48万円。
まさに”バブルコンポ ”の なにものでもありませんね。

 私が小学6年の頃、それまでためた(新聞配達)お金を母に渡し、なんとか頼み込んでコンポを購入(月賦)しました。
そのコンポはパイオニア製のCD付き、たしか12、3万円くらいだったと思います。
毎日毎日カタログを眺めては、最上位クラスに憧れたものです。
その最上位クラスは確か 26万〜30万くらいだったと思うのだが、とても手が出る金額じゃありませんでした。
AIWAプリオールはまさにそんな最上位クラスのコンポで、憧れた方も多いはずです。
この頃は、値段の高い物はいい物、そんな時代だったのかもしれません。

そんなド級なお値段のコンポですが、実はこのスピーカー、”ダイヤトーン ”のOEMらしい。
確かにそう言われると そんな気もしてきます(スピーカー)
そんなところですが、さっそくレビューに入りましょう。
まずは一言
「 ぅ〜ん、軽い音だ 」

パッと見の煌びやかさが強烈なインパクトで、つい音質に期待してしまった。
とにかくダメな点は低い音がぜんぜん出てないこと。
低音がダメだと全体が軽く、奥行きの浅い薄っぺらい音になってしまう。
それとこれ なにかブレると言うか、ボリュームを上げてくと不快な音に聞こえてくる。
4wayということもあり、見た目は豪華だが音質は正反対で残念。
ただし低音が出ない事を除けば、中域〜高域は癖もなくマイルド
長時間でも聴き疲れしない、心地いいセッティングになっている。

この名前がかっこいい999は、チューニング依頼で我が家にやってきました。
なのであまりずげずげとした書き方はしたくないのだが(もう書いてる(^^;)
低音の出ないスピーカーのチューニングは難しいので、果たしうまくいくのかどうか不安もあります。
そんなところですが、まずはじっくり内部検証してみましょう。
●程度はわりと良いほう。
この薄いネットを外すと、
ドンっと強いインパクトでしたが(見た目)、
大きさのわりに軽いのが少し気がかりでした。
●ユニットを外します。
これでもかっと言うくらいネジが多い。
●箱の内部。
私は数多くのネットワークを見てますが、
これを見た瞬間
「 あっ、ダイヤトーンだ 」
と思えるほど ダイヤトーンそのもののネットワークでした。

このスピーカーの良い所である中高域は、
このネットワークの賜物でしょう。
だがいかんせん、箱がスカスカでやばいです。
●ウーファー。
これじゃわからないが
●裏を見ると良いですね〜。
ここもネットワーク同様、まさにダイアトーンそのもの。
このアルミフレームはとにかく頑丈でいい。
古き良き時代のユニットそのものですね。
●じっくり眺めると本家ダイヤトーンと差別化してるような面が
所々みえてきます。

コーン裏には茶色いダンパーがあるのですが
普通はコーンがあるので見えません。
だがこのコーン、うっすら透けてるの解ります?
コーンは網目模様で極薄、メーカーが
軽量化・レスポンスにこだわったような気がします。

ただしもう一つ、ダイヤトーンの悪い所まで受け継いで
しまったヶ所もありました。
それはエッジで、本家同様 やや固めな感じです。
本家のようにバキバキまではいかないが、
柔らかくすることで 音質もだいぶ良くなりそうですね。
●バラバラにして初めてわかるのが箱の仕上がり。
この箱は、お世辞にもいいとは言えない、
板厚も薄く補強も少ない、スカスカ状態でした。
とにかくこの箱をなんとかせねば、そんな考えが先行するほど
このスピーカー最大の山場、
チューニングポイントになるでしょう。
●でまずおこなったのはVCC

VCCとは?

【振動】  vibration
【制御】  control
【セメント】 cement

の略。
振動を抑えるのが一番の目的で
箱の内部にセメントを流し込みます。

強度の足りないこの手の箱には
VCCが効果てきめんなんです。

●さらに強度を上げる為、補強を加えます。
今回のS999はやや大型タイプという事もあり
補強をけっこう強めに ガッチリと仕上げました。
←はMDFの24mm。

ただし補強はやりすぎたからといって良いわけではありません。
箱の鳴き具合とのバランスが重要になってきます。
やはり”バランス ”が大事なんです。

中・小型箱なら ウーファー裏に棒一本を入れる程度だが、
今回はこんなC型にしました。
これは補強に加え ダブルバスレフの役目もになっており
一石二鳥の効果を狙います。
●装着するとこんな感じ。
低域を増加させる方法の一つとして ダブルバスレフが
考えられる訳だが、その効果を引き出すには
言うほど簡単ではありません。

仕切り板の開き具合はもちろん、元の丸ポートの加工も必要
になり、納得いく音が出るまで、
何度も何度も調整の繰り返しです。
ものによっては 納得できない時もあり
どこで切るかなど、妥協しなければならない場合もありました。

最後は吸音材で微調整し完成させます。
箱の強度は車の乗り心地と似てる。
音が悪いと感じるのは=不快に感じるからでもあり
箱がガチッとすると音がブレなくなる=快適で心地良くなる。
それが 人がいい音だなァ〜と感じる
一つのポイントだと思います。
●箱のレベルが上がると、ここも変えたくなりますね。
ワンタッチターミナルは楽でいいのですが、
●やはりこちらの方が安定します。
このあと削り・塗装して仕上げました。
●ネットワーク。
さすがダイヤトーンということもあり、
クロスポイントのセッティングは絶妙な具合でした。

ですがこのスピーカーは低音が出ないので
それを補うために、クロスポイントも変更しました。
●加えて今回は適材適所にこだわります。
これはまだ途中ですが、ツィーターとスーパーツィーターには
銀線を使い、さらにおもいっきりツイストさせ
できるだけノイズを出さないような、そんな思惑で仕上げました。
コンデンサーも良い物と交換。

クロスポイントを変更することで、音質の変化が大きくなります。
その分 最終の音出しで変化も大きくなるので、
この時点ではまだ ネットワークは仕上げません。

●完成したネットワークを箱に装着、
ユニットを取り付け
●完成!!!

箱は3部艶仕上げ。
大きいので大変でした。

ユニットも全て磨き直し、とにかく綺麗になりました。
●音質は割愛させていただきますが、
たぶん設計者も驚くほど、とにかく激変しました。
オーナー様の元へは去年の年末頃の到着でしたが、
とても喜んでいただきました。

とにかく大変な作業の繰り返し。
苦労して苦労してようやく完成。
そして出てきた音は・・・
素晴らしい。
すべての苦労が吹き飛ぶくらい、
とにかく素晴らしい音が飛び出してきました。
ああ、やってよかった
そう感じるほどです。

今回のチューニングは私にとっても感無量であり、
まさに「
日本一のSX-S999 」になったことでしょう。

最後に。
このやりきった感覚は2度目で、
1度目はセンモニ(NS-1000M)のチューニングでした。

努力しても努力しても報われない・・・
そんなことも数多くありますが、
今回のように努力すればするだけ報われることもあるんです。
そんな感動をくださったオーナー様にも感謝します。
とにかく気持ちの良い結果となりました。

次回、まだまだお初のスピーカーが登場します。
お楽しみに♪
 ヴァリアスクラフトはまだまだ続きます。
  今後もどうぞ よろしくお願いいたしますm(_ _)m

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