●SP-30、SP-300Sと続き、今回は S33 の紹介です。
このS33というスピーカー、情報がまったくありません。
たぶんコンポセットのスピーカーだと思うのだが、とにかく見た目が最大の特徴でしょう。

人によりけりだと思いますが、私はこれアバロンのような、ハイエンドスピーカーに見えました。
時代はたぶん90年代、単品発売されていたのかも不明ですが、価格はペアで3〜5万円といったところでしょう。
果たしてどんな音色を奏でてくれるのか!?。さっそくいってみましょう。
sansui S33 1990年代 ¥3〜50,000円くらい(ペア)
メーカー解説:
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:2.5cmドーム型 ・低域用:12cmコーン型
再生周波数帯域 50Hz〜30000Hzくらい
インピーダンス
出力音圧 90dB/W/mくらい
クロスオーバー周波数 5、6KHzくらい
外形寸法 幅155×高さ300×奥行220mm わりと小さめです。
重量 3.5kg
●エッジは問題ないので、さっそくの音出し
まずは一言
「 うわっ、びっくりするくらいよく鳴るわこれ! 」

前回紹介した300Sの、三分の一程度の大きさっしかないのに、
二周りくらい大きいスピーカーのような鳴り方でした。
中域に甘いところはあるものの、中々素晴らしいポテンシャルを秘めたスピーカーです。
「 やるなァサンスイ! 」
とおもわず思ってしまったほどでした。

このS33、それほど高い値段ではないような気がするが、作り込みも中々のもん。
特徴的なこのデザインは、カットの仕方がアバロンに似ています。
加えて色遣い。同系色はもちろん、同系素材で固めてきたセンスも抜群です!
きっとデザイナーが優秀な人だったのでしょう。
ほんと!洒落てます。
音質は高級機種と比べると、あと一歩っというところだが、
軽くチューニングすれば10万円クラスを凌駕するだけの実力はありそう。
とにかく驚きっぱなしの連続だが、落ち着いたところで、内部検証にはいりましょう。
●てかり具合も仕上がりも中々です。
ですが私は、一点だけ気になるところがありました。
●とりあえずユニットを外します。
が・・・
外れません。
●背面ももちろん
外れません。
●ターミナルカバーを外し
中を覗き込んでみました。
●ネットワークやポートが見えます。
吸音材はなく、箱を鳴らすタイプです。

これ、ユニットの周りにあるカバーを外せば
ユニットも外れそうだが、とにかく接着が硬く
ガリガリになりそうなので止めました。
エッジ×なら壊してでもあけますが。

こういうのメーカーは壊して開封、そっくり交換し はい終わり。
そんな感じの修理ですからね。
耐久性は考慮されてたのか、エッジを含め
動作は問題ありません。
●さてさて
気を取りなして箱の補修に入ります。

ほぼ全面、こんな感じで剥がれてました。
●何ヶ所か、中途半端に接着されてる面があります。
たぶん前オーナーがやったと思うのだが、
接着がムラになっており、所々浮いてました。
こういうの まじほんと、直すの大変なんで
止めてほしいです。

シートを無理やり剥がそうとすると、たぶんクシャクシャの
ボロボロになりそうなので、
写真のようにして接着剤を流し込みました。


すこしシワっぽいところもあったので
クリアーを分厚く塗ってやりました。
思っていたより手間はかかりましたが、
これで本物の鏡面になったので、まァよしとしましょう。
●さて、最初に一点気になると言ったところはここ。
このフレームの色(銀)なんです。


せっかく同系色でまとめてるのに、
ここが銀なんで浮いており、残念に感じてました。
●で金に塗装しました。
元々こういう金メッキだったと思えるほど
綺麗に仕上がりました。
何人かだまされたほどです。
●綺麗に仕上がった理由はこれ。
ちょっと塗装屋と縁があったので、相談して配合してもらいました。
これでムラもだいぶ減り、
純正のような仕上がりに近づきました。
今後はこれを使います。
●で完成!
今回は外装のみの仕上げです。
クリアーで仕上げたので、一段とよくなりました。
このS33、とりたてチューニングしなくてもいい感じだが、私的にはちょっとクロスをいじりたかったのが本音です。
ヴァリアスクラフトらしからぬ回になりましたが、まァ綺麗なんでいいでしょう。
チューニングしなくていいスピーカーも、過去何台かありましたしね。

このサイズだとDENONのE717あたりがライバルでしょう。
小型サイズということを考えると、717は素晴らしいスピーカーです。
でもこのS33、それに匹敵するどころか、ソースによっては こっちのほうがいいと思える事がしばしあったほどでした。
文章だとこの良さも伝わり難いのだが、今回分かった事、それは
”サンスイは低域がいい! ”
3機種連続で扱ったが、どれもまず感じたのが、低域がいいという事。
低域が良いと全て良いと思えるくらいで、チューニングもセッティングもすごく楽なんです。
逆に低域がダメなスピーカーは、チューニングしずらいどころか、やらない事も多いんです。
サンスイはやりがいも聴きがいもあるので、ほんと楽しめるスピーカーでした。

話しが変わりまして、私はAU-666、AU-7500という70年代、サンスイ製のアンプを持ってます。
それはほとんど飾りっぱなしで、今回久々に電源を入れました。
アンプには音質を調整する、BASS、TREBELが付いてますが
この古い2機種はどちらも MIDRANGE(中域)という調整が付いており、中域がコントロールできます。
範囲はそれほど広くないのだが、凸から凹みまで容易に調整できるので、より好みに近づけることができます。
あえてチューニングしなくても、機材を駆使すれば、より好みの音質になるでしょう。
サンスイ繋がりだったので、とりあえずアンプも使ってみたしだいなんです。

サンスイには他にも、AU-111やAU-9500、90年代の907シリーズや、MOSシリーズなどなど、
聴いてみたいアンプが沢山あります。
現代の最新機種と比較すると 微妙なところもありそうですが、今では出せない味や良いところもたくさんあります。
スピーカーに関しては20年30年経っても、まったく関係ないんですけどね。
一流メーカーが拘りぬき、コストを惜しまないからできた、一級品の賜物。
大事に後世に残していきたい、そんな思いでいっぱいです。

最後に。
今回の”サンスイ祭り ”はいかがでしたでしょうか。
他の機種で SP-100i、SP-1000なんていうスピーカーもありますが、それらも紹介してみたくなりました。
サンスイのスピーカーはとにかく”レア ”な商品ですが、
今でもサンスイのアンプをお使いでしたら、ぜひ一度マッチングさせてみてはいかがでしょうか。
サンスイのもの凄い拘り、十分に感じ取れました。
これからは「 俺のスピーカーサンスイだよ! 」と大いに自慢してください(笑
次回はメーカーチューンモデルの登場です。お楽しみに♪

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