●久々の更新です。
今回はアメリカ製・インフィニティ社のスピーカー、リファレンス11マーク2のご紹介。
インフィ二ティの音色は、クラシック向けのクリアー質ですが、中域がスッキリしてるのでわりと好みです。
小型2wayの場合ほとんどが似た構成だが、今回のマーク2はバスレフ方式。
密閉とはどれくらい差があるのか!? そのあたりがみどころになるでしょう。
INFINITY Reference 11mkII  1989年  \55,000円(ペア)
メーカー解説:
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:1cmドーム型 ・低域用:17cmコーン型(ちなみにONEは15cmだが・・・)
再生周波数帯域 55Hz〜20000Hz
インピーダンス
出力音圧 89dB/W/m
クロスオーバー周波数 3.9KHz(微妙な数値は拘りか!?実直か!?)
外形寸法 幅208×高さ372×奥行244mm 約L
重量 6kg
●↓赤矢印がこのマーク2で、その上に乗ってるのがリファレンス・ワン。
両方エッジが×なので、今回は同時進行しました。音色の差もわかりやすいですしね。
右側のスピーカー気になります?超レトロで激レアでしょう、たぶん。次次回くらいの予定です。

さて、とりあえずエッジ(自作)を交換してからの音出しとなります。
エージングはほぼ無しの状態
まずは一言
「 少し刺激が強すぎるなァ〜 」

メーカーは同社の、密閉を意識してるのか?こちらのバスレフ、密閉よりも一回り刺激の強い音でした。
そのクリアー質な中・高域はある意味強烈で、他の日本製と比べてしまうと
日本製が全部、こもって聴こえるほどでもある。
のちに低域の量感も増えてきますが、この時点では少なめだったので、それほどドンシャリではありませんでした。
良く言うと高域が綺麗な音。
悪く言うとラジカセ。
エッジを交換したスピーカーはエージングで化けるので、
ここは一度、じっくりエージングしてから、再度インプレッションをおこないたいと思います。

そして二言目
「 だいぶマイルドになった。低域の量感もけっこう出てきた 」

いつものよう、外出中に鳴らしっぱなし。今回は12時間くらいでした。
帰宅後、エージング中の音すら変わっており、期待通りに変化してくれてました。
やや強めのセッティングは否めないが、このツィーターはリファレンスELと同様
薄目の音色です。
その薄目は中域・ボーカルを凹ませるので、高域がより前にきて主張してくるバランスになる。
だからシャリ感が感じやすくもあるのだが、逆に言うと綺麗で透明感のある音色も堪能できる。
ウーファーはわりと上まで出したセッティング(インフィニティ全般)もあいまり、中域はクリアー質・凹み気味。
低域は最初に比べるとかなり量感がましており、強い高域にも負けないバランスとなりました。

このインフィニティらしさのある中・高域はいいのだが、低域にちょっと箱鳴り感があるのが微妙です。
リファレンス21では、かなり分厚く頑丈な箱だったので、そのあたりはマイルドでしたが、
こちらはたぶんもっと薄いなので、不用振動も多く出てるのでしょう。
そのあたりと、少し温かみを持たせてやるのがチューニングポイントになりそうです。
では内部検証にうつりましょう。

●縦・横はリファレンス・ワンとほぼ同じ。
奥行きだけマーク2が5cmほど長い。
●まずはユニットを外します。
●音色どおり、中はがらんどう。
底にスポンジは引いてあるだけです。
ネットワークは背面のターミナルカバーに直付け。
ケーブルは普通。
このあたりはインフィニティの特徴(合理的)でもある。
●長いポートですね〜
これも鳴くんで、きちんとした処理が必要でしょう。
●ツィーター。
2wayの場合、だいたいは
ウーファー6:4ツィーター程度だが、これは
ウーファー7:3ツィーターくらい。
だからウーファーのセッティングによっては
クリアー質にも、厚みのあるこもらせた音にも
簡単に変化させる事ができる。

中域が薄いので、高域がより鮮明に聴こえてきます。
●こちらウーファー。
エッジは交換済み。
癖が少なく、自然なところが特徴的。
コーンが紙なんで、
そんな柔らかさのある特徴も出ています。
●ネットワーク。

左がマーク2で右がリファレンス・ワン。
同しメーカーだけあり、セッティングも似ています。
(マーク2は裏側に抵抗がある)
●さて、ネットワークを改造します。
上がノーマル、下が改造後。
今回はコンデンサーの追加とケーブル交換の
ライトチューン。

日本人好みのツボを押さえているので
これだけでも十分良くなります。
●これはリファレンス・ワン。
これもマーク2同様ライトチューンで
上がノーマル、下が改造後。

こっちはツィーターが少し癖のある音なので
そこのセッティングがややシビア。
音数を多く出し過ぎると、癖も強くなってきます。
●ポートも箱もギチギチにしました。
●さらに吸音材を加えます。
これでかなり箱鳴りは収まりますが、
低域の量感も少し減ってきます。
そのあたりは好みですね。

私はズンドコ好きですが、低域の量感を減らしてでも
箱鳴りを抑えたい派です。
●ユニットを取り付けます。
●こちらはリファレンス・ワン。
マーク2同様、箱もしっかり処理します。
●吸音材を詰め
●メーカー口承ではこちらのウーファーは15cm。
マーク2は17cmですが、
コーンサイズは1mm違うだけなので
エッジは同じサイズでした。
メーカー口承(WEB記載)が間違ってるのかもしれません。

ユニットを取り付け
●完成!!! どちらも半艶仕上げ。いかがでしょう。

マーク2のチューニングメニューだが、ウーファーの上をほんの少しカットし、ツィーターの下をほんの少し伸ばした。
ようはクロスオーバー3.9を3.7程度、ほんの少し変えました。
そして一番効果的でもあった箱の改善。
これにより、低域の量感は少し減ったが、全体の”解像度 ”は格段に良くなりました。
最初はTVの音(声)が少し聴きづらい面もあったのだが、そういうのも改善してます。
温度をつけたのでその分 解像度を上げた。
だからバランスも良好で、私らしさのチューニングでもあります。

続いてリファレンス・ワン。
所有してる方はおわかりだと思うが、高域がシャリっとしてるわりには、中域の甘いところがある。
クロス値が高めというセッティングでもあるのだが、そこは前回同様、少しだけ輪郭をシャープにしました。
これで格段に定位感が良くなり、ボーカルが中央へ”ビタッ ”ときます。

マーク2はクラシック・楽器向け。
ワンもそうだが、ワンの方がボーカルが良く聞こえます。
基本的には、どちらも外国製の音、って感じです。

最後に。
マーク2とワン、基本的にはどちらも似た傾向だが、ノーマルならばOENがいいでしょう。
ただしどちらも重低音を期待するスピーカーではないというのと、ワンでもそこそこ太い音が出ます。
密閉の特徴でもある、高解像度な低域を堪能できるのが、ワンのポイントでもあります。
 
 今回は両者ともチューニングした訳だが、選ぶのが難しいほどいい音に変わりました。
私がチューニングしたスピーカーは、同じスピーカーを所有されてる方のところへ何度も行ってますが
「 こんなに違うのか! 」
というお墨付きを何度も頂きました。
それらのお言葉が自信に変わり、次へと飛躍してるのだが、機会があれば ぜひ一度聴いてみてください。
気軽に試せる、外国音のスピーカーでした。

次回、レトロ!昭和かほりプンプンスピーカーが登場です。お楽しみに♪

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