●2回目の登場となる、ダイヤトーンDS-500
実は以前より、ずーと”バスレフにしたいっ! ”という頭がありました。
DS-500Nというバスレフがあるのだが、たま数が少ないのか?オークションでも中々見かけません。
そこで今回は、たま数の多いDS-500を使い、しっかりしたバスレフにすれば どんな音色が飛び出すのか!?
たぶん日本初であろう”DS-500のバスレフ化 ”、はじまりはじまり〜。
DIATONE DS-500 1988年 \92,000(ペア)  DS-500N 1992年 \99,000(ペア) 赤字はNの仕様、書いてないところは同じ
メーカー解説:等速液晶ポリマー
方式 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・バスレフ方式・防磁設計(EIAJ)
使用ユニット 高域用:2.5cmドーム型 ・低域用:18cmコーン型
再生周波数帯域 42Hz44Hz〜30000Hz
インピーダンス
出力音圧 88dB/W/m
クロスオーバー周波数 2KHz 3.5KHz
外形寸法 幅230250×高さ401450×奥行242248mm 約13L
重量 10kg
●↑スペック表で特に着目するのは、クロスオーバー周波数。
500Nはメーカーの説明文に、ウーファーがスルーと書いてありました。
ウーファースルーは、ツィーターのカットによりクロス位置がほぼ決まります。
●下にあるのが市販のポート
これを背面に取り付けます。
●背面板にはこのように、ネットワークが搭載されている。
●そのネットワークやフェルトやらを外していきます。
ちなみにこれはシリアル2万番台。
若い数字のものは取り付け方がやや違ってました。
●すべて外したあと
こんな感じで穴をあけます。
●その穴にポートを装着します。
ポート周波数は約50Hz
ポートを3cmカットすると60Hzになります。

ブレないよう、しっかり接着したら完成!
50Hzで迫力十分、野太い音がでてきます。
さらに量感を求めるなら60Hzにすればいいでしょう。
●ネットワーク。
ポートを取り付けるだけなら簡単で、それだけでも
一応バスレフ化にはなってます。
だがほんとうに音を追求するならば
ここが一番重要で大事なポイント
それがネットワークのセッティングなんです。

左上がノーマル、右が改造後。
コンデンサーは良質なものに全て交換。
肝となる能率も変更しました。

これを取り付けて音出しし
さらに煮詰める作業が続きます。
●さて、こちらは背面のターミナル。
これをバナナ対応型に交換します。
カバーごと変えるやり方や、ターミナルだけを変える
やり方がありますが、今回は後者です。

まずはつまみ部を外します。
写真は金具がぶち壊れてしまってますが(^^;
●元の金具も全部外します。
―の所は爪になっており、無理やり外すと
土台まではがれ壊れてしまう。
難しいです。
●上の―をエポキシを埋めます。
エポキシはカチカチに固まるタイプを使いました。
●そこにターミナルを取り付け
穴の部分を全て埋め完成。
このやり方はけっこう難しいです。

元のカバーを使うのなら、ターミナルの凸を根こそぎ取り外し
あいた穴をプラ板で埋めて仕上げる。
そんなやり方のほうがすこし簡単になるでしょう。
 もしくは、透明タイプのような、やや大きめのターミナルを
使えば、粗をすべて隠せるかもしれません。

カバー部を木材のベースに変えた方が、
逆に手間がかからないかもしれませんね。
いずれにせよ、NS-10Mのような簡単なタイプではありません。
●ユニット。
何セットかあるうちで、一番腐食のひどいのがこちら。
左がその酷いやつで、右は荒削りしたものです。
●そこから何度も何度も磨き仕上げていきます。
けっこう大変でした。
それは形のせいでもあり
湾曲部が細く、ペーパーをあてるのが難しんです。

艶が出てきたら磨き終わり。
最後にクリアーで仕上げ(コーティング)します。

これは完全な磨き直しなので、元のものより
2、3倍輝いてます。
でも輝いてるからと言って、それがいいかどうかは
お好みですかね。
●パッと見綺麗に見えますが
実は意外に汚れてるんですよ。
●網の裏にもこんなに汚れが。
●網を再接着し、完成。

この網はかなりガッチリと付けられてますが
一度外せば二度目からは外しやすい。
だから掃除もしやすくなります。
●箱を仕上げます。
今回も半艶にしたのだが、丹念に磨いたせいか
けっこう艶が出てしまいました。
●ネットワークの基盤をカットして、
背面板にギリギリ付きました。
その後フェルトを多い被せます。

箱にユニットを取り付けたあと、
最後にこの背面板を取り付け
●完成!!!

バスレフという事で、背面をメインにしてみました。
いかがでしょう。
でもその背面に色ムラが出てますよね(^^; 
背面は程度にもよるが、軽い傷がある場合、だいたいは再塗装して綺麗にします。
その塗料はかなり薄めたものを使うのだが、思ったより吸われてしまい、ムラになったというわけなんです。

さて、音質は言うまでもなく素晴らしいものになりました。
ダイヤもONKYO同様、背面ポートが少ないですよね。
例えばフロントポートとリアポートでは、同じバスレフでも傾向がだいぶ変わってきます。

フロントポートの場合、低域だけではなく中域もけっこう出てきます。
低域の量感が感じやすくなるのと、中域がパーっと広がるのでワイドレンジにもなるというメリットがあります。
小型フルレンジの自作箱なんかでは、フロントポートにするとバランスが取りやすいですよね。

リアポートの場合、なんと言っても中域の輪郭でしょう。
シャープで定位が良くリアリティがある。ボーカルにリアリティを出したいなら、迷わずリアポートですね。
低域はフロントポートより感じ難いですが、壁に近い場合、逆にドスドスが響きやすくなる場合もあります。
ただしそんな低域は解像度が悪いので、気持ちのいい音ではないんですけどね。

同じ箱、同じユニットのスピーカーでも、こういうった方式の違いにより、音の傾向もかなり変わってきます。
ダイヤの背面ポート、たぶんダイヤファンには新鮮な音に感じるはずです。
私は300Vの音が好きですが、このDS500は肉迫するものがあります。
とにかくバランスが良く、非の打ちどころのないスピーカーになりました。

最後に。
もうかなりの数をこなしてきてますが、それでもこういう発見があったと
驚いた回になりました。
普通は中々、こういう改造をしないと思いますが、改造するだけの価値は十分ありました。
特にDS-500の場合、ユニットに馬力があるので、出音にも余裕が感じられるんです。
 値段にもよるのですが、今新品で買えるスピーカーで、
この500改に匹敵するリアポートのスピーカーは、果たしてあるのか?
全てひっくるめると対等できるのは、DENON SC-E757くらいでしょうね。
DS-500を入手したら 全て改造したくなる。それほどレベルの高い音質でした。
次回、ちょっとスパンが空いてますが、どんどん進めていきたいと思います。

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