●オーラトーンと言えば、小型・モニターを連想させるほどメジャーなスピーカー。
今回はそんなオーラトーンなんで・す・が
これ、5Cの文字がどこにもありません。代わりに大きく”ビデオシールド ”なる文字が。
サイズもユニットもまったく同じなので、5Cの後継機種だと勝手に思ってましたが、どうなんでしょう?
とりあえず検証にはいります。 |
AURATONE SUPER-SOUND-CUBE |
●メーカー解説: |
方式 |
1ウェイ・1スピーカー・密閉方式 |
使用ユニット |
全帯域用:12.5cmコーン型 |
再生周波数帯域 |
50Hz〜18000Hz |
インピーダンス |
8Ω |
出力音圧 |
89dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
なし(フルレンジ) |
外形寸法 |
幅165×高さ165×奥行150mm 約1.5L |
重量 |
2.5kg |
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●とりあえずこんな状態ですから↑、音が出るのかを小音量で確認しただけ。 |
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●エッジはウレタンだったのか?
跡かたもありません。
付着してるエッジより、どうやら外貼りらしい。
(コーンの外側にエッジを貼ること)
5Cは内張りでした。
小口径はストロークもシビアですから
いろいろと慎重にならざるおえません。 |
●ユニットを外します。ネジは全て+。
パコッと外すと、わりと大きいマグネットが顔をだす。
バツ印がついた三枚目が、キャンセリングマグネット。
元は2枚重ね使いのようです。
カバーが付いてないので、わかりやすいですね。 |
●ユニットを外しました。
ユニットを取り付けていたネジは、小さな小さな+ネジ。
何度か回してると、すぐにばかになりそうなほど小さい。
ただ箱は彫り込んであり、そこにユニットが
ピタッーと精度良く、収まります。
だから極端だが、少しくらいネジがゆるくても大丈夫。
アメリカ製でも、このくらいの精度だすんだ〜
なんて感心したほどです。 |
●吸音材(黄色いグラスウール)を外します。
吸音材は箱に対して、60%くらいの量でした。
ネットワークは無く、ターミナルから配線が直付けです。
配線は一般的なものでした。 |
●ユニットを綺麗にし |
●エッジ(自作)を取り付けます。
エッジの接着が落ちついた後、軽く音出ししました。
エージングができてないのは解っているが、
変な音・・・
だからつい |
●背面に |
●穴をあけ |
●バスレフ化にしました! |
●2種類のポートを試してみたんだけど、
なるべく中域を出したくないので、
長〜いポートにしました。
写真でわかるよう、ギリギリです。
ポート周波数は50Hzくらい。
最初は60Hzくらいにしたのだが、
やはりどうも中域が気になり、さらに低くめに変更する。
密閉に比べると多少は出るが、
ほぼ狙い通りの中域になりました。
低域はこの容量ですから、バスレフにしたからといって
重低音は出ませんでした。
程よく増えた低い音、そんな感じです。 |
●2Lにも満たない小さな箱ですが、
VCCにより、さらに容量が少なくなります。
でもなぜか、低域はいい塩梅に変わります。
科学的根拠はありませんが、なぜでしょう?
写真じゃわかりずらいが、内部セメントは
けっこう角度つけてます。 |
●ネットワークが無いフルレンジの場合、
ここはいいものを使いたいですね。
超ぶっといモンスターがこのみだが、
なくなったので、オーディオテクニカに代えました。
これもわりと、良さそうなケーブルです。 |
●ケーブルが太いから、少し長めにしたのだが、
逆に収まりが悪くなってしまう。
内部をすべて処理し |
●ユニットを取り付け |
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●完成!!! エッジはなんだか、純正みたいでしょ。背面ポートにスポンジを付けると、ほぼ密閉に戻ります。
さて、メンテが終わったこのAURATONE、深夜だったので、小音量でひっそり鳴らしてみた。
”素晴らしい ”
なんと気持ちのいい音なのか。
10K以上の高域はだらさがり、その分中域が主張してくるような、ウォームな音なのだが
どこか懐かしいというか、なぜか気持ち良くなってくる。
特にこの”鋭いレスポンス ”は、極小音量でもまったく鈍らない。
「 不思議なスピーカーだ 」
以前メンテした5Cを聴いた時、ここまで感動はしなかった。
今回はまともに聴く前に”バスレフ化とVCC ”という大胆なチューニングをやってしまったのだが、
それらが効いているからこその、好結果ともいえるでしょう。
重低音は出ませんが、この落ち着きのある深い音色、サイズを超越した心地いいものでした。
がしかし・・・
翌日昼間、しっかりエージングしようと思い、少し大きめの音量で鳴らしてみると、
なんということでしょう!中域が耳に突きささる、嫌みな音がバンバン出てきます。
よく”うるさい ”なんて表現されそうな音なのだが、中域のうるさいは、高域のうるさいよりタチが悪い。
声を主体に録音した女性ボーカル、柴田淳sanとかetc、そんな歌声は、とても聴けたもんじゃありません。
がっかり・・・
で やっきになり、ギリギリの音量でエージングを続けた。
うるさい音もだいぶ減り、ようやく聴ける音になってきました。
だが本領を発揮するのは、まだまだこれからでしょう。
エッジの貼り替えはほとんどが2wayです。
2wayの場合は嫌みな中域が出たとしても、高域(ツィーター)でだいぶ中和されるので
気になる事はほとんどありません。
ですが変化を楽しむのも、また一興でしょう。
最後に。
小音量では抜群のフィーリングだっただけに、大音量時のバランスの悪さには、拍子抜けしました。
現在もまだまだこなれてませんが、小音量では抜群です。
いずれにせよ、このオーラトーンの”味 ”は、大切に守ってやりたくなる、そんな存在感のあるスピーカーでした。
次回、インフィティ後期型の予定です。お楽しみに♪ |