●いきなりですがオウルテックって知ってますか?
そう、パソコンのパーツとかケースなんかで聞いた事ありますよね。
今回はそのオウルテックから発売されていた、PC用スピーカーの紹介です。

↓の中央、微妙なサイズのスピーカーがこれ、OWL-SPEF31T エボリュ―ション というかっこいい名前のやつ。
ただPC用として、卓上でこのサイズは大きすぎでしょう。
PCではなく普通のTV、32インチくらいがベストマッチしそうなサイズです。もしくは足元に置くとかね。
 機能はアクティブ(アンプ内蔵)なので、PCでもTVでもなんでもOKという、使い勝手の良さがある。
おもしろいスピーカーが出てきたもんです。メーカーHPは「 こちら
それではさっそく、内部検証にうつりましょう。
owltech OWL-SPEF31T 2005年頃? ペアで1万円くらい?
メーカー解説:
方式 2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:2.5cmバランスドーム型 ・低域用:12cmコーン型×2
再生周波数帯域 45Hz〜20000Hz
インピーダンス
出力音圧 80dB/W/m
クロスオーバー周波数 5KHz
外形寸法 幅150×高さ460×奥行245mm 約L
重量 5kg
●まずは一言
「 なんでしょうこの音は。軽すぎトホホでお話になりません 」

簡単に説明すると、ツイーターからしか音が出ていないような音。もしくはウーハーエッジが固まったスピーカーの音。
やはりパソコンで使う事が前提なのか?これは意図的にそういう音、クリアーすぎる音にしてるような気がします。
そこそこ大きいい箱に加え2発のウーハーは、まったくの見かけ倒しの結果でした。

低音がぜんぜん出ないのだが、他に中域の響き感がまるでない、ポートからは風圧がまったくない、高域しか出ていない。
逆にこのユニット構成で、なぜこんな音が出るのか?さっぱり解らないし、不思議でたまりません。
とりあえず検証してみましょう。
●ネジは全て六角。

↑右の写真、ツィーターがそくっりなんで、横に並べたのは
DENON SC-E212。
●外しました。
完全な直列接続のようで、変わった繋ぎ方です。

とりあえず並列に接続し直すと、
「 おっ!まともな音が出るじゃないですか 」
どうやら原因は、接続方法にあったようです。

とにかくこういう繋ぎ方をすると、
まるでフィルターをかけたと思えるくらい、
中域が凹みまくりの音に変化します。
ある意味勉強になりました。
●ポート。
凝ってますね。
どこかの外国製で、こういうのありましたよね。
●アンプ部。
これはぜんぜん悪くないというか、
PC用スピーカーのレベルではなく、普通のコンポレベルです。

出力は20W+20W
私は普段からPC→オーディオアンプで聴いてるので
パワーが少し物足りなく感じたが、
5W+5W
程度のPC用スピーカーからの乗り換えなら、
まったく問題ないレベルでしょう。
ノイズも少なめ、一般的なコンポと同レベルです。

そんなPC用らしからぬ音質は、
内部パーツを見て、されに納得できるものでした。
少し見ずらいが、箱の内部にある電源トランス、
普通に大きいタイプでしょ。
ヒートシンクも大型で、ちょうどウーハーの後ろに配置されていた。
ウーハーの動きを利用し、少しでも風をあてようという計算
なんでしょうね。
PC用という事を考えると、立派なものです。

トーンの音質も悪くないのだが、
BASSは、持ち上がる位置が下すぎる気がします。
全開にすると、TVにスーパーウーハーだけ取り付けたような、
繋がりの悪い音が出てきました。
●とりあえずまともな音が出るようにはなったのだが、
並列に接続し直したら、中域のエネルギーが
あふれんばかりに放出されたので、
さっそくチューニングする事にしました。

元はウーハー×2、スルーの構成だが、
ツイーター・フルレンジ・ウーハーというような、
高域・中域・低域と音を細分化させ、メリハリを付けます。
これでけっこう上質な音に変わるはず。

写真はセッティング途中の様子。
●で、色々と付けたり外したり。
セッティングを煮詰めるには、けっこうな時間がかかり
想像以上に大変でした。
ウーハー×2っていうのも、慣れてないと難しいもんですね。
●セッティングが決まったら、
パーツを取り付け、元に戻していきます。
これけっこう精度もよく、安っぽさを感じさせないほどです。

そうそうこのウーハー、エッジはウレタンだが
ぜんぜん鳴らしていなかったのか?
けっこう硬めでした。
こなれてくると、低域過多になりそうな不安もよぎります。

最後にユニットを取り付け
●完成!

まず音質だが、激変もいいとこ、別物に生まれ変わりました。
音楽を気持ち良く聴ける、ボーカルが心地いいというような、いかにもオーディオ的なセッティングにしました。
ただ基本はPC用で使う事が前提でしょうから、声はクリアー質を維持しつつ、聴きとりやすい傾向にしてあります。
それとほとんどはアクティブ使いだと思うので、トーンでの変化位置も考慮して組んでます。

背面を見てわかるとおり、普通にターミナルも付いてます。
ただ仕様なのか、接続ミスなのかは解りませんが、パッシブ(アンプ無し)で使うと、アンプ内蔵の方からは音が出ませんでした。
アンプの電源を入れても同じで、アンプ側に付いているターミナルは飾り?のようです。
内蔵アンプの電源を入れ、アクティブとして使うと音が出ます。

でもそれじゃァ使い勝手も悪いと思ったので、全て直しました。
通常使い、内蔵アンプでガンガン鳴らすことはもちろん、、
普通のスピーカーと同じような使い方(パッシブ)、別のアンプに繋いで鳴らすのも、できるようにしました。
 動作をきちんとさせ、いい音の出るようになったこのSPEF31Tだが、一つ気になったことがあります。
それは左右で微妙に音が違う、響き方に差がありました。
これは機械的問題ではなく、箱の容量や強度などが関係してる違いです。
アンプ内蔵の方は、箱の容量が少ないせいか、低域が微妙に少なめのクリアー質。
でもよほど気にして聴かない限り、わかりずらいレベルなんですけどね。
壊れてる?なんて思う人もいるかもしれないので、一応かいときました。

最後に。
これ4、5年前に1万円くらいで発売されていたようですが、結論から言うと、
断然、買い!でしょう。
この内容で1万なら、かなり安いと思いました。
もし今販売されてるなら、たぶん2、30台はまとめ買いし、全部チューニングするでしょう。
ただしノーマル(元のまんま)ではダメですから、人におススメするかどうかは微妙なところです。
 最初は微妙なサイズも中途半端に感じたが、使ってみたら逆にこのサイズがいい!なんて事がありえるかもしれません。
この内容でこの値段、オウルテックには頑張っていただき、また発売してもらいたいものです。
その時はぜひプロデュースさせていただき、いい音にしてから販売しましょう。
色々と、新鮮味のあるスピーカーでした。
 次回、またまたコンポ用スピーカーで、高ポテンシャルだったものです。お楽しみに♪

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