スピーカーメンテナンスもいよいよ第五章に突入!
扱った数だけで言うなら、200台近い数字だと思うが、HP上では約81台目。
ぶちゃけ少々飽きてまいりました(笑
冗談はさておき(^^; 今回は以前メンテしたM55。
その時は久々のメンテで気合いが入りすぎたのか、スパッと改造してしまった。
内容はツィーターの交換。
ツィーターから出る中域に違和感を感じ、元の音をまともに聴かないままチューニングしてしまった。
交換と言っても下の写真で分かるよう、言われなければ解らないほどの仕上げ。
そんな改造は、私の特徴でもある。
その後オリジナルの音はどうなのか?頭の片隅に追いやられてはいたが、ずっと気になっていた。
それで入手したわけだが、悪い癖でだいぶ放置してあった(^^;
さて、このM55も以前の物と同様、エッジが×。
まずはエッジの補修から始める訳だが、少し試行を変えていきましょうかね。


ONKYO M55 1978年 \27,500(1台)
メーカー解説:小型でありながら、大型システムにせまるゆとりと、パワフルな演奏を目指したスピーカーシステム。
方式 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット ・低域用:20cmコーン型
・高域用:3cmドーム型
再生周波数帯域 50Hz〜20000Hz
インピーダンス
出力音圧 90dB/W/m
クロスオーバー周波数 2KHz
外形寸法 幅235×高さ400×奥行238mm(サランネットは元々無し)
重量 6.5kg
四台のM55、左はチューニングしたM55。
こうして並べるとよく分かると思うが、色が違いますよね。
元々2カラーあったのか?70年代としては、洒落た色遣い。
これは元々のエッジ。
表面がザラザラしており、布っぽいウレタン?皮かもしれない。強く押すと崩れ落ちる。
幸いにも原型を留めているので、このまま補修をおこなう。右はダンプ剤を一度塗り。
この一発目の塗り込みは崩れないよう、慎重に作業しなければならない。
これは3回塗りで完全乾燥後。生地が縮んでひび割れ発生。
このままさらに補修もできるが、ヶ所が多く逆に手間がかかる為、剥がしました。
右は剥がしたエッジ。強度もあるし弾力も申し分ない。このような補修も十分ありですよ。
過去のエッジ補強は、だいたいこんなノリでやってるが、一番古いもので
5年以上経ったかな?そのウレタンエッジは、今だに弾力十分、崩れる気配さえない。
直射日光にあて放置、なんて実験もやったが、そういうのって大事ですよね。
ツィーター。マグネットがでかいですね-。
この振動板(ドーム)、ウーファーもそうだが、粘着性があり、
両面テープに付いたほこりを落とすようなもので、たいへん掃除しにくい。
右は白錆が浮いていたので、錆を取り、処理した後。
古いスピーカー、特に密閉は錆がざら。見た目は大丈夫そうでも、簡単にマグネットが浮いてきます。
ウーファーはエッジを張り替えた(布エッジ)。錆はほとんど無かったが、一応処理を施す。
単発チェックだが、嫌気がさすのもあれなんで、ほどほどにしときました。
箱の補修に入ります。写真を撮り忘れる(^^;
前オーナーの補修ヶ所があったのだが、なんだか木に浸透していて、うまく塗料がのらなかった。
底にコルクシートを貼る。
ユニットを取り付け、
完成!!!完全オリジナル。
サイド、左上の白っぽい点。そこが色差が目立つヶ所。あとは全体的に、中の上ってところかな。
こちらはチューニングM55。夜だと黒に見えるくらいダークな茶。
鏡面風仕上げにしてみた。
背面に貼ってある周波数特性図だが、わりとフラットですよね。
1kHz辺りが凸なのが分かると思うが、音は少し響いてくる。
その響を取ったのが、チューニングM55。
右はカタログの写真だが、この色だったんですね。

さてオリジナルの音はどうなのか?と気になるところだが、
やはり中域が少し凸。あたり前だが、アッテネーターを全開にすると、それも軽減される。
それじゃ-よく解りませんよね(^^;

ノーマルは中域がちょっと甘めで、年代風、
ツィーターを交換した方は今風。
高域の透明感の違いが、そんな雰囲気の違いに感じられる訳だが、
スピーカーの能力としては、かなりレベルの高い音質。
特に密閉は解像度が高く、このM55は低い音も十分に感じられ、量感もそこそこある。
オリジナルとチューニングVer.、どっちがいいという訳ではないが、
クリアーで解像度が高く感じられるのは、TW交換&チューニングした方。
こちらはクラシックや、楽器系音楽に向いていて、オリジナルはPOP向き。

密閉の特徴として、全体、特に低域の解像度が高く感じらる品質の良い音が出る。
このウーファーでもそれは感じる事ができるが、マグネットが小さい為か、中域が少し鈍め。
その鈍さをツィーターの中域でカバーしている。
だからツィーターから出る音は下まで引っ張り気味、その辺りに違和感を感じたので、
ツィーターを交換をした経緯に至る。

例えばノーマルでアッテネーターを3時の位置にする。
クリアー質なボーカルを楽しめるが、高域がややうるさい。
うるさい高域を抑えようと12時の位置に合わせる。
高域はちょうどよくなったが、今度は中域が厚すぎる。

クリアーな中域に加え、シャリシャリとうるさくない高域。
そんな音を出す為にチューニング、切り替えスイッチON!で解消、いい塩梅に変わる。
それがチューニングの醍醐味。
こういうのあったら、もうちょっとこうだったら、などを具現化した形。
と言っても音ですからね。そこは好みが入ってます。
チューニングM55は、今回リセッティングしました。

最後に。
能書きも知識が伴うと、あれやこれやと単語も多くなり、しまいには
意味不明?なんて事もあり得る。
たぶん私もそんな文章があるかと思うが、うまく伝えたくて一生懸命なんですよね。
だから同じ事を何度も書いたりしがちだが、痛っ、とか思わないでね多めにみてやってください^^

同じものを何台もやれば、より理解できるわけだが、微妙に違うのもまた機械物の性質。
今時密閉はほとんど無いから、欲しい人から見れば、貴重なスピーカーとも言える。
質のいい小型密閉を聴きたいなら、ダイヤの15Bもいいが、
中・高域の調整ができるというところで、このM55の方がお勧めですかね。
ページだが、たいして変わり映えしませんでしたね(^^;
次回、もうちょっと変えてみます。色変えもぼちぼち必要ですかね。

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