●YAMAHA NS-10M 最初の発売はいつ?80年頃?18cmウーハー。クロス2000
音楽好きなら一度は聴いてみたいテンモニ。
スタジオには必ずある!?ほどの世界標準モニターとして、今でも大活躍しています。
●ユニットを外します。ネジ止め(ツメ付きナット付き)のみ。端子はハンダ付けなのでニッパーでカットします。 ●ネットワークです。特別な部品ではありませんが、よく見るとコンデンサ・コイルのみで抵抗がありません。これは各ユニット能率をきちんと合わせて作っているからですね。よけいな物は足さないと。すばらしい!
●うちに5セットあるうち、2セットのウーハーが×。
これ!マグネット外れていました、怖っ。
ボイスコイルにダメージが無くて一安心。このままの状態でマグネットのセンター合わせ、接着は至難です。
●写真でわかるよにコイルがフレームに接触しています。マグネットがずれて、年月が経ちこうなるパターンって多いですね。
●矢印の部分を外します。これも軽く力を加えただけでマグネットが回ってしまった。マグネットが強力なので外す時は慎重に。錆だらけの固着ユニットよりは、こういうマグネットがずれての固着のほうが、直すのが楽です。 ●コーンから出ている配線を外します。ハンダゴテをあてながら裏からひっぱります。その後残っているハンダは取り除きます。
●エッジ周りに固定されているゴムを外します。
写真は外した後。
●ダンパーを根元からカットし、全バラシ完了。
ダンパーを根元からカットすれば音質に影響はありません。もしダンパーがヘタッている場合は交換が無難でしょう。部品があれば良いですが・・・。私はなんとか工夫してみますが。
●コイルに錆があります。フレームに接触するほどのものではありませんでしたが、きれいに研磨後ウレタンで保護します。 ●コーン裏。矢印部分しみがありますねぇ。
●↓のマグネットを↑フレームに装着します。普通に装着すると必ずUP写真のようにずれてしまいます。
このずれた状態でコイルがはさまりコーンが動かなくなります。大型ユニットなどはマグネットがずれないようネジ止めしてある場合もあり。
このようにマグネットがずれた固着程度ならいいが、コイルが錆だらけ固着や、コイルが焼け焦げて破損している為に固着なんて場合もあり、コイル破損の場合修復はほぼ不可能に近い。ウーハー固着のジャンク品は気をつけて購入しましょう!PA用、BOSE、JBLなんかは焼け焦げ多いです。
●強力エポキシ(アラルダイト)で接着します。多すぎず少なすぎずで。
接着跡から予測ですがあきらかに接着剤が少なかったもようでした。機械っておもしろいもので同じ症状で故障するんですよね。
●プラ板を熱湯で丸めたもの、厚みを調整し装着します。
トイレットペーパーなどのボール紙でも代用できると思いますが、プラスチックが無難です。
●フレームをゆっくり装着します。マグネットの力でバチンッとつきます。必ずセンターにきているかどうか確認します。ずれていたらハンマーでコツコツやってずらしていきます。
●一日後。プラ板を外します。きちんとセンターがとれていますね。ここでのセンター合わせはそれほど神経使わなくてOKです。目視で少しずれていても大丈夫A。メーカー製なんかはここ、少しずれている物多いんですよっ。
それよりも、ダンパーの接着やエッジの張替えの方が、センター合わせが重要になってきます。
●さてコーンの修復にとりかかります。シミ、ひどいですねぇ〜。私の所持品で一番ひどい物。
ヤマハは無着色・紙コーン多いですから、黄ばんだりシミがあるもの多いですよね。
黄ばみは解りますが、やはり湿度や使い方?で液ハネしてしまうものなのか。
●どうしましょう? ●とりあえず軽くペーパーあててみました。綺麗になりましたねぇ。ただ紙を削っているので少しケバだってしまいました。なんとかしましょう。
●薄めた塗料で、うす〜く塗装します。1回目。 ●乾燥後、又同じ要領で塗装します。
●ダンパーを接着してユニットのオーバーホール完了です。
薄めた塗料で3回塗りました。1回でも結構綺麗になったからいいなっと思ったのですが、
せっかくなので真っ白にしました^^;  音質にさほど影響は無いと思います。
スタジオ用だったか、このウーハーまだ売ってますよね?確か一個8000円位と思ったが。
●エンクロジャーに入ります。バーチクルボード、劣化でポロポロと崩れる感じ。
塗装する事でくずれを防ぎ補強にもなります。
●ターミナル。磨き前の写真取り忘れましたが^^; 磨き後です。
●リアルウッド、つき板を用意しました。以前使ったメイプルは木目が無く、がっかりでしたが、今回はバッチリ!
チェリーです。木目、いい感じでしょ。
後から解ったのですが、ヤマハSPは現行品にチェリー使ってる物あるのですね。
純正品に見えるよう気合いれて取り掛かりましょう。
●3面のみ貼るので楽勝です。アイロンで貼って圧着。はみ出た部分をカッターでカット。
前回角(90度)の処理で少してこずったので、カットしてから貼ろうか悩みます。
うぅ〜ん。せっかく綺麗な木目。1mmでもずらしたくないのでカットせず、そのまま張っていきました。
がやはり角にてこずりました。何か良い方法無いものか。
●張り終わりました。夜、蛍光灯下での撮影。 ●こちら自然光で撮影。色が自然で実際に見るのと近い。塗装するのでマスキングします。
●塗装前。軽くサンダーあててあります。
これは木目が綺麗なので迷わずクリアニスで仕上げます。
●1回塗り、乾燥後ペーパーがけ。2回塗りです。ムラに見えるのは光加減。
●十分に乾燥後仕上げに入ります。 ●仕上げ後。ちなみに後ろは着色バージョン、乾燥中の物です。
●完成!!!どうですぅ。いいデキでしょ。ネットつけると何SP?半艶仕上げです。神経使いました。
●コーンに塗装した音質の影響はありませんでした。じっくりエージングします。
さてインプレですが、この音聴いた事あるひとは解ると思いますが低域弱めです。
アンプでブースとしても重低音は出ません。とは言っても密閉で18cmなんで同様の他SPも同じですが。
テンモニは何と言ってもフラット感!すばらしいフラット感が感じられるスピーカーです。
何も引かず何もたさない、と言った所でしょうか。
少しだけ厚みがあり、なおかつクリアなボーカルが印象的ですが、これよりクリアなボーカルのSPは沢山あります。
テンモニはクリア加減と言うか、クリアなだけではない。高域はギラギラしていなく柔らかめ。
クロス2000というのもあると思いますが、2K〜4K辺りが強くキツメの女性ボーカルものありますよね
そんなソースでもサラッとしていて聞きやすい。中域のバランスの取り方が最高と思います。
なので長時間聴いていても疲れません。
200曲ほど聴いていると、テンモニの良さが見えてくると思いますが、小音量ではなく、少し大きめの音でガンガン聴く、そんな聞き方がベストと思われます。
とは言っても、バスレフに比べると物足りなく感じるのも事実ですが。

たまぁ〜にミキシングするのですが、私がミキシング用に使っているSPは、テンモニとべリンガーのB2031。
個人的には重低音好きなので60Hzあたりを持ち上げてしまいます。低音出るSPでモニタリングすると、ついつい気持ちいい低域に走りがちだが、それを8cmフルレンジで聴くとポコポコしてしまう。
大型SPや本格オーディオの人って数パーセントしかいないでしょ。ほどんどがラジカセ、ミニコンポなんかで音楽聴いていると思う。
だからこそ音作りにはテンモニのようなスピーカーが必要ではないでしょうか。
こういう銘機は次世に残していきたいですね。
世界標準と言われる実績は伊達じゃないと思わされる実力の持ち主です。

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