●ダイヤトーン DS-300 90年前後頃でしょうか?6万円 少し青みかかった液晶ポリマー振動板が特徴。
ウーハー、ツイーターともに使われている。
DS-77HRX、DS-1000HRを昔、主に使っていたので、私にとって、ダイヤは一番思い入れのあるメーカーです。
70〜80年前半辺りの2wayは沢山試聴してきたが、80年代後半〜はまだA。これは数少ないワンオーナー品のひとつ。
コンディションは中々だが、眠っていた期間が長いのでメンテしてやりましょう。
●こちらツイーター。さすがにMADE IN JAPANだけあって見たたでわかるほど丁寧な作りこみ。こういうの見ると心が和みますねぇ〜^^ ●こちらウーハー。見た目は普通ですね。
キャンセリングマグネット方式の防磁タイプ。なのでカバーで覆っていますね。
●エンクロジャー。吸音材はフエルトのような物で、ダイヤとしては少なめ。矢印部分に貼ってある。 ●ネットワーク。普通ですね。
●ユニットを保護する為の鉄製ネット。これが付いているスピーカーは多いですが、内部は掃除できませんね。
ダイヤのボロンドームが割れているのは、よく目にするが。この鉄製ネットが5mm位しかへこんでいないのに、中のダストキャップが潰れている物もたまに目にするが、なぜ?つま楊枝でつついた?
●鉄製ネット接着部分に除光液をつけて5分ほどおきます。除光液はシンナーとほぼ同じ用途ですが、においがマイルド。効果もマイルドだが。
先のとがったドライバーなどで少しづつ持ち上げていきます。ペンキの蓋を開ける感じで。この時、ユニットのフレームに傷をつけないよう気をつけましょう。
●ほこりがいっぱい。写真右上の辺り、エッジが剥がれてますね。よく振動するのでしょうか?接着してやります。
●これは保全用として、とっておいた物ですが、参考の為バラしてみましょう。断線していないユニットバラすのは、少し気がひけますが参考になるでしょ。眺める事10分。
どこを割っていいかわかりません。私こういうの力まかせにやって壊す事あるんですよねぇ〜(笑
ウーハーも同じですが、いきなりマグネットをバラすのはやめましょう!ボイスコイルが割れたりする恐れがあり、修復不可能状態になったりします。
セオリー?で下から外します(右矢印部分)。左矢印の木ネジは、真っすぐ外したいのでフレームを固定します。
●ようやく外れました(汗汗
エポキシ接着は剥がすの大変(大汗
シンナーを使いますが、それでも頑丈です。
もちろん再接着にもエポキシを使います。
解っていれば結構簡単なんですよねぇ。解らないから難しいし、壊したりもする。
そぅそぅ、これコーンとエッジの接着が弱い?気にする間もなく剥がれていた。エッジがきっちり接着してある場合は、それを剥がしてから、本体を外します(汗
●矢印部分、白い綿が貼ってありますね。 ●これを剥がすと、ありましたっ!隠しネジです。
こういうネジ止めは結構あるが、解らないまま無理やり外そうとすると確実に壊します。ちょっとコジって頑丈そうなら、ネジ止めと疑ったほうがいいですね。
●ここはエポキシが薄いので、ネジさえ外せば比較的簡単にはがれます。ここを剥がす時はほんとっ慎重に!真っすぐ外してください。ボイスコイルが逝っちゃいます。 ●とても綺麗です。ダンパー式のツイーターですね。
下が出るからこういう2way、私好きなんです。
断線している場合は、断線箇所をテスターで探します。目視できる物なら簡単でいいが。
これの場合、コーンがじゃまでハンダ漬け難しそう・・・。
自身の無い人は、やらない方が無難です。
●清掃前。 ●清掃後。
液晶ポリマーの青みが、より綺麗になりましたね。
●さて今度はフレームを磨きます。
ほとんどのユニットがフレームに白錆のような物がついてますね。Zシリーズのように錆を防止する為、塗装してある物なんかもありますが。
●矢印部分が錆です。このフレームは細い部分のみの光沢仕様なので、それほど目立ちませんが、よくよく見るとやはり気になります。
右が磨き後。
●UP。
耐水ペーパー400→800を使い、手で磨いた後にルーターを使います。最後にコーティング。
面積少ないが、全部やるのに15、6時間かかりました。
●キラッ☆、といい感じですねっ。
エッジは布製でまだA余裕。薄めたアーマオイルで軽く拭く程度でOKの状態。
●鉄製のネットを接着。
端子部分を全て磨いてユニットの完成です。
●最後にエンクロジャーとまいりましょう。
大きな傷も無く綺麗。やっぱ綺麗はいいですねっ!
●右が汚れを落とし、ウッドオイルで仕上げた物。
左は少しくすんでいますね。実際に見ると、もっと差がわかります。
一見綺麗にみえますが、手をかけてやると生き返るんですよ。
●右下(赤丸部分)に4mmほどの傷があったので補修してやりました。正面からは見えない箇所なので、よ〜く見ないと気づきません。
上の矢印、全体的にプツプツと模様のような点が見えます?これはビニール系素材のあかしです。
この写真は超接写・拡大なのでわかりますが、肉眼では、ほぼ見えません。
9割方はこのような素材を使っているのではないでしょうか。
ビニールと言っても、デキがすごく良い物もあり、言われなければリアルウッドと区別がつきません。
この素材、自作SP用に欲しいのですが、どこで手に入るのでしょう?
●完成!新品同様によみがえりました。あとは半日ほどかけてエージングし、クセを取ってやります。
インプレですが、密閉2way、お手本のような綺麗系の音色です。
ボワボワしていない歯切れの良い低域。よく伸びてくれてます。
想像とは違い、ひじょうに艶やかなボーカル。低域の量感が少ない為、中・高域が耳にツクかと思いきや、以外や以外サラッとしています。ダイヤの特徴である中域が、少し控えめかな。その為か、音のバランスやまとまりが良い。長時間聴いていても疲れない音質です。巷で評判が良かったのも、わかる気もします。
ロジャースもこんな感じの音色なんでしょうか?聴いてみたい。
私はドンドンずきなので、低域が少し物足りなく感じてしまいますが。
●楽しみにしていた同シリーズの比較。右はDS-300V。
見た目では300Vは細長く、少し奥行きもある。容量は同じ位かな。
両方とも等音速2wayを特徴とするスピーカー。密閉かバスレフかが最大の違いになります。
300に穴を開けてみたかったんですよねぇ〜。あけなくても300Vがありました!
基本的な音の傾向としては、どちらも同メーカーだけあって似ています。
300Vは300の低域の量感が増えた感じかなぁ?と思っていたら、音質はぜんぜん違う(汗
300Vはバスレフなので低域の量感はもちろん上。低域の量感をのぞけば、出てくる音、特に中域が逆なんじゃないの?と当初の予想をくつがえした結果でした。
なんて言いますか、300Vはバスレフなので低音出るなぁ、っていうのは予想できますよね。
低域が量感がある為、中域・ボーカルも厚いだろ?と思っていた所、300の方がだんぜん厚い。違う言い方をすると300Vの方が中域がクリア。全体的にもクリア。不思議な錯覚にとらわれてしまいます。カタログにある「リニアリティを向上」というのはこの事をさすのでしょうか?リアリティと間違いそうだが、少し意味合いが不明。
バスレフにしては、ボワボワしていない歯切れの良い低域はいいんじゃないっ!と思うが少し量感がたりなくも感じる。
たぶん、この2つの音質の違いはクロス値からくるものではないでしょうか。
300Vは1500Hz。300はカタログに載っていない。
聴いた感じでは、たぶん3〜4000Hz位だと思うが、後で問い合わせてみましょう。
このクロス値の違いが、音質の違いにつながっていると思われます。2wayはクロス値で音色がずいぶん変わる!というのを、あらためて思いしらされた感じです。
300V不思議な音色です。次回詳しくインプレしますのでお楽しみに。

あと、「 DS-11XL & DS-55XL 」 「 DS-500 & DS-500N 」 なんかもやる予定です。

   ・・・・・・・・・・・・・・・