●ONKYO D-102Aです。1992年の発売
もう10年以上選手ですね。
サイズ幅184×高さ298×奥行237mmとコンパクト。
サイズを超えた伸びやかな鳴りの良さというコンセプトですが、
これといって特徴の無い音質。
もう少し低域の豊かさが欲しいなぁという感じです。
所々ダメージがあるので、早速直してやりましょ。
●まずはユニットをバラします。
4〜50個のSPをバラしてきましたが、まず大半は写真にあるファストン端子がうまく外れません。
まっ良いことですが。
密閉型に多い青錆浮いているものもあります。
力まかせに外そうとするとベースが簡単に
逝ってしまいます。
ラジペンで少しづつ、ずり下げる感じで外します。
それでもダメなときは、極細のドライバーでツメを少し広げます。これで外れますね。
ベースを折ってしまったら瞬間接着剤でくっつけましょう。
●以外に大きいマグネット。
キャンセリング方式の防磁設計です。
4Ωと4.5Ω。
フレームにブチルが貼ってあったり、マグネットのセンター部分にフェルトが貼ってあったりと、
値段が安いSPでも、こういう小技をキチンとしているメーカーって、やっぱ信用できますね。
年代に関係なくオモチャ的なひどいものはたくさんあります。
●エンクロジャーです。
写真じゃわかりずらいですが、吸音材がTW、UWともに斜め空中で独立に付いています。
こだわりですね。ONKYO製品は多いです。
内部の音を、拡散・減少させる的なものでしょうか。
●ネットワークです。写真はウーハー用。
低域と高域の回路を分割配置したアイソレート・ワイヤリング方式というもので、
相互干渉を排除させるのが目的です。
ドイツのレーダーシュタイン社製、高級コンデンサーを使っています。
さらにこだわりですね。
●ウーハーのエッジはゴム製。
写真のようにヒビが入っています。
これくらいなら修復は簡単で音質にも影響が無いでしょう。
少しでも完全に破れている場合は、張替えたほうが無難ですね。
●シリコン+液体ゴムを混ぜたものを塗ります。
最初は裏側のみ塗りましたが、一応表も補強しておいてやります。
少しでもヒビがあると、またそこから割れてきますので。
乾いたらアーマオールも塗ってやります。
●シートの剥がれです。
よくありますね。中古のSPって。
補修してやりましょ。
精神的にも良くなりますね。
●こんなものを使います。
溶かして固めるロウタイプ。
あとは同じタイプで色違いが十色ほどや、塗料なども使います。
●できました。
結構綺麗になるもんでしょ。
初めて直す方は練習あるのみです。
コツはとにかく色を合わせる事!
段差や木目は後で入れればOK。
プラモ作りが得意なひとは、簡単かもしれませんね。
●別場所。
言われないと気づかないかも?
オクで値段UP?
私はちゃんと告知します(笑
●これ底面ですが、赤丸つけようと写真見て、どこ直したか自分でも解らなくなりました。
褒めすぎ?(^^;
●これは少しひどいですね。1mm程ですが
エンクに隙間ができ、シートがずれて浮いています。
湿気のせいでしょうか。
こんな角の部分は機械でプレスできるのかな?
どうやって直すんだろ?
●で、うめました。
シートの浮きは完全には直らず。
これを完全に直すなら、もうシート剥がし、削って、パテで成形しなおすしかないでしょう。
同じシートが手に入ればよいですが。
そこまでする人いる?
●汚れを綺麗にふき取り、ていねいにワックスを塗ってやります。
これをやる、やらないの差はかなりでかい。
ワックス塗ってよみがえらせてやりましょう。
色つきワックスだと不陰気も変わりますよ。
黄泉がえりじゃないですけど、うちの店に何度か
相川様が来てくれた事がありました。
超渋い方です。
●最初から気になってたエアーダクト。約3φ。
これは明らかに中途半端な感じがします。
簡単に言うと、ダクト用に穴をあけてアダプター
のみの装着。荒めのスポンジが貼ってある。
設計、製造後に変更したのか←ありえない?
これが狙いなのかは、設計者に聞いてみないとわかりません。
●という事で、ものは試しにダクトを作りました。
常日ごろから捨てないでーと言いつつ、
溜まりにたまってヒンシュクをかっているトイレットペーパーの芯。
くるんですよ、役立つ日が(笑
茶色のクラフト紙てきなものが一番硬い。
●少し大きいので、まず外周をサイズに合わせ、
中側に補強していきます。
写真のように切り込みを合わせていきます。
外側に補強していくと、いちA貼っつけてやるのがメンドウです。
サイズが大きすぎたーなんて事もありますし。
●とりあえずチャAっと完成。
5重巻き+ビニールテープで結構、重硬い。
さらに硬くしたいときは、断面に瞬間接着材を流しこんでやればOK。
ブチル張ってやり、つや消し黒で塗れば本格的にできますね。
●装着。
さて気になる音質の変化はいかがなものでしょう。
●完成。綺麗になりました!
左がノーマル、右がダクト改。
ノーマルに比べると若干低域が低くなりましたが、バランス、う〜ん微妙。
低域だけを期待したのに。
さらにつめてやるには、ダクトの長さ、φを容量から計算してやり、あとは視聴の繰り返しですね。
そんな事はメーカーがやってるので、こういう改造は時間の無駄にもなりかねない。
お話は変りまして、
私の所有SPの半数以上が2WAYですが、そのほとんどはクロスの値を見て選びます。
これは2kと中間的な位置付け。簡単に言うと、ボーカルに艶を求めると4k辺り、乾いたリアルさを求めると1〜2k辺りですかね。2k〜3kはまさにその中間。
これは良く言うとバランスがいい、癖が無くどんなジャンルでも合わせやすい、と言った所でしょうか。
もう少し下が欲しいと私的には思いました。

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